宝塚歌劇宙組トップスター・真風涼帆が退団会見　１７年間の男役人生は「どの瞬間も忘れられない思い出」

　宝塚歌劇宙組トップスター・真風涼帆（まかぜ・すずほ）が１１日、東京宝塚劇場で「カジノ・ロワイヤル～我が名はボンド～」（脚本＆演出・小池修一郎氏）の千秋楽後、サヨナラショーと退団記者会見を行った。

　２００６年に入団し、１７年１１月にトップに就任。１７年間の男役人生の集大成となった本作では、映画シリーズでも有名な「００７」のコードネームを持つ敏腕スパイ、ジェームズ・ボンドにふんし、スーツ姿でスタイリッシュに演じ切った。

　セレモニーでは、黒燕尾（えんび）姿で大階段を下り、「この豪華絢爛（けんらん）な世界に憧れ、導かれ、戸惑いながらも夢中になって、ただひたすら走り続けて参りました」と、宝塚人生を回顧。「さまざまな方々との出会いで成長させてもらい、両手に抱えきれないほどの愛で何倍も強くなることができました。第８代目宙組トップスター・真風涼帆、本日をもって任務を完了いたします。本当に本当に、ありがとうございました」と感謝で締めくくった。

　終演後の記者会見では、「みんなに支えてもらって、ここまでたどりつくことができました。どの瞬間も忘れられない思い出」と、晴れやかな表情を見せた。今後については「これまで宝塚で精いっぱい生き抜くことに全集中してきたので、明日からゆっくりしながら今後どういうことをやっていきたいか考えていきたい」と話した。

　◆真風涼帆（まかぜ・すずほ）７月１８日生まれ。熊本・菊池郡出身。２００６年３月「ＮＥＶＥＲ　ＳＡＹ　ＧＯＯＤＢＹＥ」で初舞台。第９２期生。星組から１５年５月に宙組へ組替えされ、１７年１１月にトップ就任。トップ在任期間の約５年７か月は花組・明日海りおをわずかに超え、平成以降では宙組・和央ようか、星組・柚希礼音に次ぐ３番目の長さ。身長１７５センチ。