【ヤクルト】石川雅規 交流戦単独最多28勝!43歳ベテランが27勝の42歳ソフトバンク和田毅を突き放す

スポーツ報知
交流戦通算28勝目を挙げた石川雅規は、つば九郎とポーズを決める(カメラ・清水 武)

◆日本生命セ・パ交流戦 西武0―2ヤクルト(10日・ベルーナドーム)

 ベンチでナインを出迎えたヤクルト・石川雅規投手(43)が、安心したように笑った。球界最年長の左腕が交流戦2度目の先発。5回2/3を3安打無失点の好投を見せ、2勝目をマークした。チームの連敗を3で止め、単独トップとなる交流戦通算28勝目にもなった。「一生懸命、投げた結果が28勝になった。先頭バッターを抑えようと、低めの意識で投げられた」と価値ある1勝に、声を弾ませた。

 カットボールやチェンジアップなど多彩な変化球を丁寧にコースに投げ込み、テンポある投球でゼロを並べた。5回に2死三塁と危機を背負うも、古賀を121キロのシンカーで空振り三振に打ち取った。6回2死から外崎に左前打を許したところで降板。高津監督が「流れを変えるピッチング。彼は難しいことをやった」と合格点を与えた。

 22年目の43歳。中日・涌井は5月31日のソフトバンク戦(ペイペイD)で自身に次ぐ交流戦通算26勝をマーク。9日にはソフトバンク・和田が巨人戦で勝利し、同27勝目を挙げて並ばれたが、1日で突き放した。和田毅の力投は映像で確認。「僕とは比べものにならないぐらいのボールを投げている。同世代の頑張りは一番刺激になる」と力に変えた。

 年々、増していく“1勝”への思いが石川の原動力だ。この日の白星で、通算185勝。大台の200勝へまた一歩、歩みを進めた。「1試合にかける重みは昔とは違う。いつの1勝が一番うれしいか、聞かれたりするけど、結局は近々の勝利が一番うれしい」。野球への探求心や、1試合にかける調整の時間や努力は1年目から変わらない。それでも、中6日で先発してきた頃とは違い、年齢を重ねた今は主に中10日と間隔を空けての登板が続くだけに、機会自体も減少しているのは事実だ。「野球の怖さやしんどさを経験してきた」と、実績や経験を積み重ねたからこそ、1勝に対する執着心は増している。

 チームは2日ぶりに最下位を脱出し、「それが一番うれしい」と笑顔。衰え知らずの左腕がチームを上昇気流に乗せる。(森下 知玲)

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