◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム4―3阪神(10日・エスコンフィールド)
信じてくれた指揮官へ―。同点で迎えた8回無死一、二塁。日本ハム・加藤豪将は阪神・大竹の外角ツーシームを中前にはじき返した。強攻策に応えるV打で、セ首位に連勝。腹の底から雄たけびを上げ「We did it!(やったぜ)」と余韻に浸った。
8回、2戦連続1番起用の江越が二塁打で出塁。更に四球で背番号3に好機が巡ってきた。相手は開幕から6連勝中の左腕。後続は全て右打者で「明らかにバント」と悟って、作戦を確かめようとベンチに歩み寄った。だが目に飛び込んだ合図は、両手でバットを握るしぐさ。新庄監督からの「打て」だった。「相手に見せるように堂々とやっていて。不安が消えた。打てないわけがないと思った」と、背中を押された。
今季最多3万2558人が熱狂した一戦で勝利を飾り、交流戦は6勝5敗で首位タイに浮上。米国育ちの逆輸入ルーキーは虎党からの“野次”も浴びたが「なまっている日本語(関西弁)がわからないから聞き取れなかった。松井(秀喜)さんがニューヨークでブーイングされて『うれしかった』と言っていたのと同じ」とニッコリ。古巣相手に就任2年目で初めて勝ち越した指揮官は「本当にいいチームになってきたなあ。選手たちに聞いてあげて」と小さく右拳を握って球場を後にした。(堀内 啓太)