お笑いタレント・とにかく明るい安村(41)が4日(日本時間5日)、英人気公開オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」の決勝に出場した。所属する吉本興業によると、決勝進出は日本人初。惜しくも優勝を逃したが、全英に旋風を巻き起こした。
決勝進出者は全参加者の中から11組。安村は準決勝で一度は敗れたが、敗者復活枠の「ワイルドカード」で出場した。スーパーマンなどのヒーローネタや英バンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーに扮(ふん)し、代表曲「Don’t Stop Me Now」に合わせ海パンをはいてないように見せる“裸ネタ”を披露した。
日本と同じ決めゼリフを英訳した「Don’t worry. I’m wearing(安心してください、はいてますよ)」に、審査員や観客は総立ちで「パンツ!」の大合唱。優勝者が手にする英王室での公演は逃したが、爪痕は確実に残した。安村は「優勝できなかったけど楽しかったよ! 10日間あっという間! 夢みたいでした! 応援してくれた皆さん、ありがとうございました!」と自身のインスタグラムなどに投稿し、感謝した。
日本では2015年に大人気となったが、すぐにブームが去り、「一発屋芸人」と呼ばれるまでに。それでも、「第2次ブーム」をつかみ取った。吉本が同番組に何組か芸人のネタ映像を送ったところ、安村らが審査を通過。外国向けに芸名も覚えやすくし、「TONIKAKU」に変更した。
予選では「naked(裸)」の言葉に審査員や観客はまゆをひそめたが、言葉の要らないパフォーマンスに会場は笑いの嵐に。つたない英語で審査員と堂々とやりとりをする姿も大ウケした。「トニー」の愛称で親しまれるようになり“パンツ旋風”を巻き起こした。
10日には東京・新宿のルミネtheよしもとで凱旋公演を行う。
◆とにかく明るい安村が披露したネタ
▼予選
〈1〉サッカー選手〈2〉騎手
〈3〉ジェームズ・ボンド(映画「007」シリーズ)
〈4〉スパイス・ガールズ(英女性グループ)
▼準決勝
〈1〉アフタヌーンティー〈2〉近衛兵〈3〉クリケット
〈4〉アビイ・ロード(「ビートルズ」のアルバム)
〈5〉ルイス・ハミルトン(英F1ドライバー)
〈6〉エルトン・ジョン(英歌手)
▼決勝
〈1〉スパイダーマン〈2〉バットマン〈3〉スーパーマン
〈4〉サイモン・コーウェル(「ブリテンズ―」の審査員)
〈5〉フレディ・マーキュリー(英ロックバンド・クイーン)
◆Britain’s Got Talent(ブリテンズ・ゴット・タレント)2007年に英国で始まったオーディション番組で、今年が16シーズン目。ダンサー、マジシャン、歌手などさまざまなジャンルのパフォーマーが出演し、毎年1人の優勝者を決める。優勝賞金は25万ポンド(約4220万円)。第1回優勝の歌手ポール・ポッツ(52)、第3回準優勝の歌手スーザン・ボイル(62)を輩出した。優勝者は英王室で公演。世界各国にフォーマット販売され、日本版は今年2月にABEMAで放送された。