マシンガンズ・滝沢秀一、「THE SECOND」準優勝でも目指すは清掃員の日本代表…“三足のわらじ”も続行

スポーツ報知
2本のペットボトルのメーカーを即答した滝沢秀一

 お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一(46)が、著書「ゴミ清掃員の日常~ゴミ分別セレクション~」(講談社刊、税込み1268円)でゴミ分別の重要性を強調している。ゴミ清掃員に就職して11年。芸人、作家活動との両立に励む。今年5月の「THE SECOND~漫才トーナメント~」では準優勝するなど、本業が好転してきた。それでも“三足のわらじ”を脱ぐつもりはない。(浦本 将樹)

 その瞬間、清掃員・滝沢の目が光った。写真撮影の時のことだ。既にラベルをはがしたペットボトルを持った瞬間に「これはサントリーの水、こっちは外国の水だ」と見抜いた。

 本書はゴミ清掃員として働く日常の苦労話をまとめた。「ゴミ清掃員の日常」(2019年)と「ゴミ清掃員の日常~ミライ編」(20年)からエピソードを厳選。書き下ろしも加えた総集編だ。妻の滝沢友紀さんが話をマンガにする。「もともと『ご飯は冷蔵庫だよ』などのメモに描いてある絵が上手だった。お願いしたら、自分で勉強して作品を追うごとにうまくなった」と笑う。

 清掃員になったきっかけも友紀さんの一言だった。13年3月に長男が誕生した際、少し前に「出産費用で40万円お願いね」。友紀さんがパートを休まなければならず、収入がゼロに。滝沢も仕事がなく収入2万円の月が続き、親が自分にかけた保険を崩して何とか暮らす日々。クレジットカードを何枚も作り、初期特典のポイントで日用品を購入していた。結局、簡単にアルバイトが見つからず清掃会社に就職した。

 収集車に放り込まれて破裂するビーズクッションや、袋に入れられた残飯のカレー、持ち上げた途端、「燃えないゴミ」の袋から突如飛び出す包丁、無数のペットボトルのラベルとキャップを取るうちにつる指…。これらの話をツイートしているうちに「ある日、いきなりリツイートが増えた」。有吉弘行(49)が面白がってリツイートし“ゴミ芸人”としてのブレイクにつながった。

 真夏にボクサーとして修業中の清掃員と走りながら、無数のペットボトルを見てやめたくなることもあった。だが、ある時、バラエティー番組でサンドウィッチマンがひな壇の端に座るのを見て目が覚めた。「M―1王者が端なんだ。自分はこっちで日本一になるしかない」と決意を固めた。

 お笑いの傍ら、週に5回、清掃員のシフトを入れる日々。本腰を入れるうちに分かることもある。「お金持ちの地域ほどゴミがない。酒で例えると、たまに高級ワインの瓶が一本出るのに比べ、地価が安くなるほど酎ハイの缶だらけ」。収入が変わらなくても、生活様式を変えると貯金もできるようになったという。また流行にも敏感に。「少し前はCMの影響なのか、シャワーヘッドがたくさん捨てられていた。みんな交換したんですね」

 ゴミの関連本も増え、今作で12冊目に。「全部、内容も切り口も変えて、重ならないようにしています。それでも、まだまだ書きたいことはたくさんある」と明かす。印税は友紀さんが管理しているので不明だが、芸人、清掃員に加えて作家も加わり仕事の幅が広がった。5月には「THE SECOND」で準優勝。「今せっかく話題なのに、今度、絶版になる本があるんです。もったいない」と苦笑い。三足のわらじ同士がうまく回転しないもどかしさも感じている。

 それでもブレイクのきっかけを作ってくれた清掃員をやめるつもりはない。「シフト回数は減っても続けたい。出世して管理職になる人もいますけど、僕はなるべく現場にいたい」と生涯現場主義だ。

 ところで滝沢の言う「日本一の清掃員」とは何だろうか。「インドネシアに行った時に、川に平然とペットボトルを捨てる人を見てあ然とした。海外のゴミ事情なども書いてみたい」と意欲を見せる。日本で啓発活動を続けるうちに「『日本でゴミを減らした実績のある人』として海外の講演などに呼ばれたら、それは日本一でいいんじゃないでしょうか。日本代表ですから!」。清掃員の目が、また光った。

 ◆滝沢 秀一(たきざわ・しゅういち)1976年9月14日、東京都出身。46歳。東京成徳大卒業。大学在学中の98年、都内のカルチャースクールで一緒だった西堀亮と「マシンガンズ」結成。現在ツッコミ担当。2007、08年にM―1グランプリ準決勝進出。08年、結婚。12年に清掃会社に就職。13年3月に長男、16年7月に長女が誕生。20年10月、環境省から「サステナビリティ広報大使」に任命される。血液型AB。

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