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上岡龍太郎さん、10年前からがん闘病も力尽く 芸能界引退から23年 81歳ひっそりと逝く 

上岡龍太郎さん
上岡龍太郎さん
「鶴瓶上岡パペポTV」で共演する(左から)笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎さん
「鶴瓶上岡パペポTV」で共演する(左から)笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎さん
漫画トリオの(左から)横山フック、横山ノック、横山パンチ
漫画トリオの(左から)横山フック、横山ノック、横山パンチ

 人気テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」の司会などで活躍した元タレントの上岡龍太郎(かみおか・りゅうたろう、本名・小林龍太郎=こばやし・りゅうたろう)さんが5月19日、肺がんと間質性肺炎のため大阪府の病院で死去したことが2日、明らかになった。81歳。葬儀はすでに親族で密葬で営まれ、お別れの会は行わないという。毒舌交じりの率直な話術で人気絶頂だった2000年に芸能界から引退。還暦前の引き際は話題になった。

 忖度(そんたく)なしで物事に鋭く切り込む話術で人気を博した関西演芸界のレジェンドが、ひっそりと息を引き取った。

 上岡さんは2000年の引退後は、大好きなゴルフを楽しむなど悠々自適の生活だった。長男で映画監督の小林聖太郎(しょうたろう)氏(52)の「大ファン」と明言。聖太郎氏の監督作で「ナイトスクープ」の局長後任だった俳優・西田敏行(75)が出演した「マエストロ!」(15年公開)は「44回見た。息子が『監督より多い』と(笑い)」と子煩悩ぶりを語っていた。妹の息子の兄弟漫才コンビ「ミキ」の活躍ぶりにも注目していたという。

 その裏で、10年ほど前からがんと闘ってきた。聖太郎氏はこの日、コメントを発表。「昨年秋頃、積極的治療の術がなく本人も延命を求めていない、と知らされた時に少しは覚悟しておりましたが、あれよあれよという急展開で母も私もまだ気持ちが追いついていない状態です」と説明した。

 上岡さんは1942年、京都市生まれ。京都西高卒業後、バンドボーイを経て、横山ノックさん(07年死去)に誘われ、横山パンチの芸名で「漫画トリオ」を結成。「パンパカパ~ン! 今週のハイライト」のフレーズで始める時事漫才で人気となった。

 68年、ノックさんの参院選出馬でトリオを解散後、婿養子だった父方の旧姓を使った上岡龍太郎の芸名で1人で活動を開始。ノックさんと再タッグを組んだ「ノックは無用!」「ラブアタック!」などで関西のテレビ界を代表する司会者に。笑福亭鶴瓶(71)と打ち合わせなしのフリートークを展開する「鶴瓶上岡パペポTV」(87~98年)や初代探偵局長(88~00年)を務めた「探偵!ナイトスクープ」は関西ローカルを飛び出し、その毒舌ぶりは全国区になった。

 しかし、番組での舌禍騒動も多く「私の芸は21世紀に通用しない」との口癖通り、芸能生活40周年の2000年4月をもって引退。働き盛り、58歳での引き際だった。その後、表舞台に立つことはなかった。

 父親について聖太郎氏は「とにかく矛盾の塊のような人でした。父と子なんてそんなものかもしれませんが、本心をうかがい知ることは死ぬまでついにかなわなかったような気もします」と回顧。「弱みを見せず格好つけて口先三寸…。運と縁に恵まれて勝ち逃げできた幸せな人生だったと思います。縁を授けてくださった皆様方に深く感謝いたします」と結んだ。

 自称「恵まれない天才」は、天国でニヤリと笑っているに違いない。

 ◆上岡 龍太郎(かみおか・りゅうたろう)本名・小林龍太郎。1942年3月20日、京都市生まれ。60年に「横山パンチ」の芸名で横山ノック、横山フック(初代)との「漫画トリオ」でデビュー。68年の解散後はピン芸人として関西で司会者として活躍。90年にはフジテレビ系「上岡龍太郎にはダマされないぞ!」で東京進出を果たす。2000年に芸能界を引退。身長165センチ。血液型AB。

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