地方競馬では4月から2歳戦が繰り広げられているが、JRAでも今週から2歳戦がスタートする。種付頭数の推移を見ると、19年はロードカナロア(250頭)を筆頭に9頭が200頭を超えていた。しかし、20年に200頭を超える交配を行った種牡馬は、キズナ(242頭)とエピファネイア(240頭)の2頭のみ。3番目に多かったのは新種牡馬のレイデオロ(196頭)で、キングカメハメハ後継種牡馬のロードカナロア(181頭)とドゥラメンテ(178頭)をしのぐ人気を誇った。ディープインパクトの後継争いとともに、ハーツクライがラストクロップを迎える世代。リーディングサイアー争いも、新しい時代に突入する。
5月30日現在、地方競馬のファーストシーズンサイアー争いは、先週の大井と門別で産駒が勝ち上がったモーニンが首位。3日の門別で新種牡馬最初の勝ち上がりとなったキタサンミカヅキ、南関東で2頭が入着しているホークビルが続く。日高けい養の新種牡馬で、最も多い190頭と交配した。JRAの新馬戦が始まれば、賞金はもちろん、芝向きの種牡馬が登場してくるので、一気に形勢は変わる。ただ、モーニンは産駒頭数が多く、南関東の賞金を考えれば、今後も上位をにぎわす存在になることは確実だ。
JRAが始まると、クラシックや芝を意識した種牡馬たちの動向がにわかに気になる。特に、社台スタリオンステーションでけい養されているレイデオロ、ブリックスアンドモルタル、ニューイヤーズデイ、スワーヴリチャードの4頭は、セレクトセールまで1か月半で産駒のアピールを見せたいところ。ニューイヤーズデイは13年の米ブリーダーズCジュヴェナイルの覇者で、2歳戦向きのスピードと仕上がりの早さが特徴だ。10日の阪神・芝1600メートルを予定しているエートラックス(牡、栗東・宮本博厩舎)、17日の阪神・ダート1200メートルを予定しているトラペジスト(牡2歳、栗東・音無厩舎)などは馬格に恵まれ迫力を感じさせ、初戦から注目したい。(競馬ライター)