金村義明氏、吉川尚輝の中飛に意図が見えない 淡泊すぎる巨人打線

スポーツ報知
6回1死一塁、吉川尚輝は中飛に倒れる(カメラ・義村 治子)

◆JERA セ・リーグ 阪神4―1巨人(28日・甲子園)

 巨人は先発の松井颯投手(22)が5回1失点と好投。秋広優人内野手(20)が7回、甲子園1号となる一時同点の4号ソロを放つも、救援陣が勝ち越しを許した。敵地で阪神に3タテを食らい今季3度目の同一カード3連敗。借金1で30日からの交流戦に臨む。

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 阪神・才木が良かったとはいえ、巨人打線が淡泊すぎる。象徴的なのが、6回の吉川だ。

 1死後、代打・中山が四球。ようやく2人目の走者が出た。しかも、四球だ。吉川がつなげば試合が動きそうな気配があった。それなのに簡単に中飛。自分を4番バッターと勘違いしているのか? 打ち上げたのはスローカーブ。つなぐ意識があれば、巻き込むようにして一、二塁間に引っ張れる球だった。ポーンと打ち上げた打席の内容に、意図が見えない。何も考えてないのではないか、と言われても仕方がない。

 阪神の1番の近本は7回無死一、二塁で外角球を引っ張り込んだ。たまたまライナーになって右直になったが、走者を進めようとする意図が見えた。この試合まで得点圏打率5割の打者がつなごうとした。吉川とは対照的だ。

 吉川は小力があって長打も出るけど、1番として必要なのは、いやらしさ。つなぐべき場面で、コンパクトにスイングするとか、セーフティーバントの構えをするとか、相手が嫌がるような打者にならないと。巨人打線にはつなぐ打者がいないので、好調な投手には楽に投げさせてしまう。(スポーツ報知評論家・金村義明)

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