◆JERA セ・リーグ 中日3―2DeNA(27日・バンテリンドーム)
DeNAのトレバー・バウアー投手(32)が4試合目の先発で修正能力の高さを示した。中日戦で6回7安打2失点と粘りの投球。2試合続けて7失点していたが、ファームでの調整登板を経て、制球、クイック、立ち上がりの3大課題を克服。「ゲームプラン通りの投球ができた」と胸を張った。
立ち上がり。2死後に、細川に甘いカットボールを左翼席へ運ばれたが、その後は冷静に石川昂を見逃し三振。2、3回は3者凡退で切り抜けた。前回の16日・広島戦では2回までに7失点したが、別人だった。
9日の巨人戦では2盗塁を許して崩れた。この日はクイックモーションと、捕手・伊藤とのコンビで盗塁企図はゼロ。連打からかき回されるパターンもなく、相手の機動力への対応もできた。無四球で7奪三振。低めにボールを集めるだけでなく、高低にうまくボールを散らして打ち取る制球力も発揮した。三浦監督は「前回から今までやってきたことをマウンドで出せた。ボールに力があり、高低もうまく使った。しっかりゲームを作ってくれた」とファームでの取り組みを含め評価した。
失点は細川の2本のソロのみ。ラスト2球は来日後最速の159キロをマークし、余力も十分だ。「明日にでも投げることができる」と余裕すら漂わせた。サイ・ヤング賞右腕の本領発揮の日は近いか。勝敗はつかなかったが、次回への希望を抱かせる90球だった。(宮田 和紀)