◆JERA セ・リーグ 広島4―1ヤクルト(27日・マツダスタジアム)
ひとつ勝つのがこんなに難しいのか。3連覇を狙うヤクルトは広島に完敗。自力優勝の可能性が、12球団最速となる46試合目で早くも消滅した。16連敗を喫した19年以来の大型連敗は、9(1分け挟む)に伸びた。高津臣吾監督(54)は「優勝を目指して頑張る。もがいて、もがいて歯を食いしばって粘ってやっていく必要がある」とファイティングポーズをとったが、個々の課題を見ると、借金10の現状は厳しい。
【先発陣の早々の降板と救援陣の疲労】この試合は、ピーターズが7回1失点と好投したが、今季7回を投げ切ったのは小川とサイスニードの3人だけで、5月の先発陣の防御率は4・93。早い降板が目立ち、救援陣の疲労も蓄積している。開幕から10試合38回2/3無失点の安定感で、4月まで2・37だった救援陣の防御率は5月には5・38まで悪化した。「救援陣には無理をさせている」と高津監督。コンディション最優先での起用が大前提のため、やりくりも難しい。逆転負けはセ最多の12度に上る。
【主力の離脱】下半身に不安を抱える塩見が、26日に出場選手登録抹消。山田も下半身の張りでこの試合を欠場した。先発ローテを担っていた高橋、吉村、高梨は2軍調整中。原、奥川の合流も少し先になりそうだ。
【固定できない打順】開幕から固定できているのは、復調の兆しがある4番の村上のみ。指揮官は「常にいい選手を、と思っている」と46試合で40通りの打順を試したが、この日も6安打で1点。ベストの答えは出ていない。
最下位の中日にも0・5ゲーム差に迫られ、28日にも20年以来の最下位に沈む可能性がある。「基礎基本を怠らず、できることを全力でやる」と高津監督。まずは1勝をつかみにいく。
(森下 知玲)