ラスベガスで鮮烈KO勝ちの中谷潤人が帰国 次戦は「どの選手とやっても楽しい試合になる」

スポーツ報知
ベルトを肩にかけ笑顔をみせた中谷潤人 (カメラ・小泉 洋樹)

 プロボクシングWBO世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)新王者・中谷潤人(M・T)が25日、東京・羽田空港着の日航機で帰国した。

 両親と弟の龍人マネジャーとともに到着ロビーに現れた中谷。「大きい舞台でパフォーマンスをする機会をいただき、よかったです。いい形で勝てて興奮しました。帰国して、ホッとしています」。試合中(3回)にカットした眉間は5針縫ったあとが痛々しかったが、出迎えた報道陣やファンの撮影に笑顔で応じた。

 今月20日(日本時間21日)、ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで元WBA王者アンドルー・モロニー(オーストラリア)と王座決定戦に臨んだ。2回にアッパー3連発、11回に左ストレートでダウンを奪った中谷は12回、誰もが判定決着と思った2分42秒、右手で距離を測り、相手が攻撃の態勢に入ろうとした瞬間、上体を右側に沈めながら、低くした頭と対角線上に左腕を伸ばした。豪快な左フックがさく裂し、モロニーは大の字になって失神。KO勝ちを収めた。モロニーはその後、病院の検査で両耳鼓膜が破裂していたという。

 WBO世界フライ級(50・8キロ以下)に続いて世界2階級制覇を成し遂げた中谷は、ラスベガスで家族らとつかの間の休日を過ごしたあと、23日にロスへ移動。24日に帰国の途に就いた。この日は出迎えたM・Tジムの村野健会長と弟の龍人マネジャーとともに記者会見。「最後のパンチはすごく練習してきた。それが試合で出せてよかった」と中谷。村野会長は「KOしたパンチについて、試合直後には『無意識に出ました』と話していました」と明かした。

 初めてのラスベガスについては「いいパンチが当たるたびに歓声が上がり、気持ちよかった」と中谷。今後は防衛戦か、他団体王者との統一戦になるかは現段階では未定だが「名前のある選手が多いので、どの選手とやっても楽しい試合になる」と気持ちを高ぶらせた。

 モロニーとは試合の2日後にホテルのロビーで会った。最初、遠くから声をかけたが、鼓膜が破れていた相手は中々気づかなかったようだ。「『いい未来を築いて下さい』と言われました」と中谷。ライバルからのエールは何よりうれしかった。

 眉間と左眉尻をカットしたこともあり、しばらく休養するが「動きたくなったら動きます」と中谷。次戦に向けて闘志を切らすことはないようだ。

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