タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)の生徒による恒例行事「すみれ募金」が21日、兵庫・宝塚大劇場の大広間で4年ぶりに行われ、本科生・予科生が参加した。
「すみれ募金」は、小児がんなど医療的ケアが必要な子どもたちが、家族とともに自宅にいるような環境で治療を受けることができる施設「チャイルド・ケモ・ハウス」の運営などに協力するため、タカラジェンヌの卵が協力を求めるもの。健康や安全の面から、4年ぶりとなる今年は屋外ではなく、劇場敷地内の大広間で開催し、生徒との2ショット撮影も中止。劇場関係者によると約2000人が集まったが、大きな混乱もなく終えた。
色とりどりの着物に緑のはかま姿で募金を呼びかけた。男役志望の工藤すず奈さん(東京・西東京市)は「憧れの行事のひとつである、すみれ募金に参加することができ、光栄に思う気持ちと、このような機会をいただけて感謝しております」とにっこり。新型コロナウイルスの影響で様々な行事が中止となったが、娘役志望の溝口薫子さん(東京・中央区)は「日常が戻りつつある中、募金をしてくださった方や、ご尽力くださった方に感謝申し上げます」と語った。
初めてファンと直接対面した生徒は緊張しつつも、笑顔で対応。娘役志望の御子柴凜々子さん(東京・文京区)は「頑張ってねといった温かい言葉をいただき、私たちも元気をいただきました」とほほえんだ。娘役志望の田良結芽さん(山口・山口市)は「お客様を間近で見ることができ、大変胸が熱くなりました。さらに精進してまいりたい」と誓った。
この日集まった募金総額は134万2252円。ダンサーだった大浦みずきさん(2009年死去)に憧れる工藤さんは「支援を必要としている方に、募金をしてくださった方々や、私たちの思いが少しでも伝われば」と、多くの支援に感謝した。