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市川團子「死んではならぬ!」 猿之助の代役公演に万雷の拍手 明治座昼の部再開

市川猿之助の代役を堂々と務めた市川團子(松竹撮影)
市川猿之助の代役を堂々と務めた市川團子(松竹撮影)
市川團子
市川團子

 18日に自宅で両親と共に倒れているのが発見された市川猿之助が出演していた東京・明治座の「市川猿之助奮闘歌舞伎公演)(28日千秋楽)の昼の部「不死鳥よ波濤を越えて」が20日再開され、猿之助が演じていた主人公の平知盛を俳優・香川照之こと市川中車の長男・市川團子が演じた。

 クライマックスシーン、ワイヤにつられた團子がスッポン(花道にある装置)から登場した瞬間、この日一番の拍手がわき起こった。代役決定から1日弱、休憩時間を含んで3時間弱の演目で、大半の時間で舞台に立ち続けた團子の”奮闘”に、ほぼ満席の場内の視点が集中した。

 幕が降りた後も拍手は鳴りやまず、1分を過ぎた頃からは次々に観客が立ち上がる。歌舞伎公演では珍しい「スタンディングオベーション」は、約7分間にわたって続いた。

 「不死鳥―」は歌劇的な要素を含んだ演目で、團子は最初に中村壱太郎と舞台からせり上がって登場。いきなり歌声を披露した。その後は、血みどろになっての立ち回りのシーン。手数が多く、相手役との入念な打ち合わせが必要と思われる場面も難なくこなした。芝居も表現に奥行きや強弱があり、急きょ決まった主演代役とは思えない落ち着きを見せた。劇中では、團子が発する「死んではならぬ!」など、座頭を失った出演陣のいまの状況と重なるセリフもあり、観客席からはすすり泣きが漏れる場面も見られた。

 観劇の解説をするイヤホンガイドは、開幕前の時間に「一部配役の変更がございます。ご理解をお願いします」とのおことわりが流れた。團子の登場を紹介する場面では、すでに差し替えがされていた。 

市川猿之助の代役を堂々と務めた市川團子(松竹撮影)
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