◆パ・リーグ 日本ハム6―2西武(18日・エスコン)
日本ハムの伊藤大海投手(25)が、エスコンフィールド北海道で初勝利を挙げた。18日の西武戦に先発し、7回を2失点。その裏に谷内亮太内野手(32)が決勝打を放ち、今季2勝目。今季から本拠地となったエスコンではこの試合まで2戦2敗だったが、3試合目で待望の白星を手にした。
待ち焦がれていた景色が、伊藤の目の前に広がっていた。3試合目の登板でつかんだ、エスコン初勝利。お立ち台で「ここに立つことを楽しみにしていたし、なかなか地元北海道で自分らしいピッチングをすることができず、悔しい思いをずっとしてきたので。本当にうれしい」と表情を緩めた。
7回を2失点に抑えるも、内容的には苦しんだ。3者凡退は3者連続三振に切って取った4回のみ。「序盤にこうかな、こうかなとやっていたぶん、難しくなって」と117球を投じ、8安打を浴びた。それでも「真っすぐより強かった」と言うカットボールを主体に攻め、粘り抜いた。「すごく悔しいところはありましたけど、いい一日でした」。そう本拠地での白星を喜んだ。
地の利も生かした。硬さが気になっていたマウンドのプレート側を、掘りやすいように柔らかくしてくれるよう、オーダーした。「右足が抜けないように、かかるようにしてもらった」。周囲の協力も得ての勝ち星に「そう言ったからにはいいピッチングをしないと口だけになってしまうので」と意地を見せた上で、「すごく好みのマウンドだった」と感謝した。
この日はナイターや週末には来場が難しいファンのための平日デーゲーム開催だった。教育の一環として、利用してもらえるよう、球団も発信していた。道内各地の23校から、約2000人の小中高生が来場した。「スタンドを見たら小学生とかすごく多かったので。少しでも夢を与えられたかなと」。その思いが確かに通じたことは、2万4580人が訪れた観衆から送られた大きな拍手が、物語っていた。(砂田 秀人)