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オークスで節目のG1・10勝目がかかる種牡馬ドゥラメンテの現役最強レースとは

スポーツ報知
ドバイで負けて強しの競馬を見せたドゥラメンテ

 種牡馬ドゥラメンテの存在感が日に日に増している。21年のタイトルホルダー(菊花賞、22年=天皇賞・春、宝塚記念)に始まり、22年はスターズオンアース(桜花賞、オークス)、リバティアイランド(阪神JF、23年桜花賞)、ドゥラエレーデ(ホープフルS)。そして、今年はNHKマイルCをシャンパンカラーが制して5頭目のG1馬が誕生した。

 父キングカメハメハ。母系は母アドマイヤグルーヴ、祖母エアグルーヴという日本を代表する超良血は種牡馬として期待通り、いや期待以上の子供たちをターフに送り込んでいる。急性大腸炎のため21年8月に9歳の若さで天国に旅立ったのが改めて惜しまれるが、種牡馬としての優秀な成績は、血統面だけではなく、この馬自身の現役時代の圧倒的なパフォーマンスからすれば納得だ。

 15年の共同通信杯で2着し、牡馬クラシックに駒を進めることになったことで「ドゥラメンテ担当」を任され、そこから一挙手一投足に注目した。4コーナーで大きく膨れながらも豪快に差し切った皐月賞。キングカメハメハ(04年)、ディープインパクト(05年)両雄の当時のレースレコードを塗り替えた日本ダービー。15年の2冠も衝撃的だったが、個人的に最も印象に残っているのは翌16年のドバイ・シーマクラシックだ。

 海外まで追いかけて現地での順調な調整を見届けたが、レース直前に右前脚の蹄鉄が外れるまさかのアクシデント。再装着を試みたが、目を血走らせて何度も立ち上がるなど、レース前にテンションはマックスに。日本で使っていた補助器具を使用できなかったこともあり、「裸足」のままゲートインすることになった。とても平静とは言えない精神状態と、片方だけグリップが利かないハンデのなか、世界の強豪を相手に2着を確保した結果には本当に驚いた。自分のなかでは「負けて強し」の代表的なレースだ。

 今週のオークスには大本命のリバティアイランドを送り込む。勝てば種牡馬として節目の10勝目となるが、父は故障のため志半ばで現役を引退した。産駒はケガなく力を出し切って欲しいと心から願う。(中央競馬担当・西山 智昭)

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