Twitter facebook Instagram YouTube

J3カターレ富山が19試合連続得点で勝利 19歳のGK平尾駿輝が無失点でJリーグデビュー

スポーツ報知
勝利に貢献したJ3富山の柳下(左)と平尾

◆明治安田生命J3リーグ 第10節 富山1-0福島(14日・富山県総合運動公園陸上競技場)

 カターレ富山は、1-0で16位の福島ユナイテッドFCに勝利し、順位はJ2昇格圏内の2位に浮上した。今季のホーム戦で4勝1分と負けなしで、2649人のサポーターを沸かせた。昨季、小田切道治監督が就任して以来、9月25日から続く連続得点記録は19試合に伸びた。決勝ゴールを挙げたDF柳下大樹(27)は「今年のチームは、1人1人が的確なポジションを取れて、粘り強くなっている。1-0で苦しい状況でも、全員で乗り越える力が付いてきた」と笑顔で振り返った。

 大怪我を乗り越えたDF柳下が、豪快ヘッドで2年ぶりのゴールを決めた。前半21分、長い距離からのFKに合わせてゴール前にダッシュすると、ペナルティーエリアライン付近からシュート。「練習でも何本か決めており、強いボールを打てば入る。ボールが来た瞬間に、もらったなという感じでした」と柳下。大きな放物線を描いて、GKの頭上を越え、ファーサイドのネットを揺らした。21年10月に左膝前十字靭帯損傷と左膝外側半月板損傷の全治8か月の重傷を負い、昨季はノーゴールだっただけに感無量の表情。「コンディションが上がらず、試合に出られない時期もあったが、多くの人に支えられてきました」と感謝した。

 その貴重な1点を死守したのが、この日、Jリーグデビューを果たした19歳のGK平尾駿輝だ。「90分間、ずっと緊張していました。冷静にプレーは出来たが、どこかで焦りはあったと思います」と話すが、ゴール前では的確にクリアし、センタリングも落ち着いてキャッチ。後半残り5分を過ぎてからは猛攻を浴びたが、平尾コールがわき起こる中、ファインセーブ連発でゴールを守り切った。終了のホイッスルが鳴り響くと、チームメートと抱き合って喜びを爆発。柳下は「緊張していたと思うが『楽しめよ』と声をかけた。練習している姿を見ていたので、試合中も安心感がありました」と振り返った。

 大阪府出身で、履正社高を卒業後、22年にカターレに加入。昨季は公式戦出場を果たせず、悔しい思いを重ねた。「GKのポジション争いは、すごく厳しいです。なぜ、試合に出られないのか、常に考えてきました」と地道に努力を続けてきた。7日には天皇杯予選となる富山県選手権・決勝でスタメンに抜擢され、好プレーを披露。小田切監督は「安定したプレーを見せており、この流れを継続していきたかった。期待以上の働きをしてくれました」と、チャンスを見事に生かした。

 試合前には、21歳年上のベテランGK柴崎貴広(40)が、緊張している平尾に何度も声をかけてサポート。チーム一丸となってつかんだ勝利だ。柳下は「自分はカターレに来て、カターレで育ててもらったと思っています。チーム全員でJ2昇格を勝ち取り、富山県全体を盛り上げていきたい」と決意。若手、中堅、ベテラン選手が力を合わせ、悲願のJ2復帰を目指す。(中田 康博)

サッカー

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年
×