宝塚歌劇団のスターの思い、注目の公演を写真とともにたっぷりと紹介します。きらびやかな世界をご堪能ください。
■「Lilacの夢路」「ジュエル・ド・パリ!!」宝塚大劇場で上演中 宝塚歌劇雪組公演「『Lilac(ライラック)の夢路』―ドロイゼン家の誇り―」「『ジュエル・ド・パリ!!』―パリの宝石たち―」が兵庫・宝塚大劇場で2本立てで上演中。4月でトップスター歴3年目に入った彩風咲奈が、2代目相手役・夢白あやとの新コンビで雪組の新しい光景を映し出している。演出の謝珠栄(しゃ・たまえ)氏、藤井大介氏に“さきあやコンビ”の魅力などを聞いた。(ペン&カメラ・筒井 政也)
「Lilac―」は夢に向かって真っすぐなタカラヅカ魂を表した作品だ。19世紀初頭のドイツで、鉄道事業に着手するドロイゼン家の5人兄弟の奮闘を描く。
阪急電鉄を走らせ、歌劇団を生んだ小林一三氏の生誕150周年イヤーにふさわしい内容だが「鉄道のドイツ史を読んで面白いと思い、知らずに企画書を出したんです。神様が降りてきたのかも」と謝氏。当初の題名は「鉄の夢路」だったが、劇団のテーマ曲「すみれの花咲く頃」の原曲がドイツの「白いライラックがまた咲いたら」で、イメージが膨らんだという。
彩風演じる5兄弟の長男・ハインドリヒは夢へ一直線の性格。彩風は「ものすごいスピードで、芝居の稽古と同時進行で振り付けもされる謝先生が役の理想像」と話していたが、謝氏は「思い立ったらガーッと前に進む。自分でもそっくりと思います」と笑った。新コンビを謝氏は「2人とも非常にきれいで宝塚らしいトップコンビ」と評した。
一方の藤井氏も「キラキラ感が素晴らしい」とうなずく。彩風については「(元月組トップ)大地真央さんのように見えませんか?」とレジェンドスターの名を挙げて称賛。「夢白さんはオールマイティーに歌も芝居もダンスもできる。雪組が華やかになったなと感じます」と続けた。
「ジュエル―」は仏パリを題材にした優雅なステージ。「彩風さんは大劇場で3作目のショー。これまでロック調が多かった。品のある人なので、一度は王道のレビューを」と狙いを語り、主題歌で印象に残るフレーズ「(あや)妖しく なまめかしく―」に2人の芸名の共通ワード「あや」を引っかけた。「彩風さんも夢白さんも一人一人で立てる人ですが、2人が組んだときのデュエット力をお見せしたかった。頼もしいコンビです」と、たたえた。
28日の千秋楽(午後1時開演)は全国の映画館でライブ中継され、「Rakuten TV」「U―NEXT」でも有料生配信がある。東京宝塚劇場では6月17日~7月16日に上演。