◆ゼロワン「押忍PREMIUM PRO―WRESTLING SHOW~子供たちに夢を!希望を!~大谷晋二郎応援大会」(6日、ベルサール高田馬場)
昨年4月10日に両国国技館での試合中の事故で頚髄損傷の重傷を負い現在、病院でリハビリ中のプロレスラー、大谷晋二郎(50)が6日、ベルサール高田馬場で行われた自身が所属するゼロワンの「押忍PREMIUM PRO―WRESTLING SHOW~子供たちに夢を!希望を!~大谷晋二郎応援大会」で391日ぶりにプロレス会場に来場した。
大谷は昨年4月10日に両国国技館での試合中の事故で救急搬送され「頸髄損傷」と診断。首から下がまひ状態となり同月28日に支援する応援募金が開設された。6月4日には大田区総合体育館で団体の枠を越えた選手が参戦した支援大会を開催。リハビリ生活は続いているが昨年10月8日に口に棒などをくわえ文字を打つ形でツイッターを再開し、現在の体調、プロレスへの思いなどを発信している。
今大会に向け事前にゼロワンでは、大谷の来場を「当日の体調など医療機関の判断により、来場できない場合もあります事を、ご了承下さい」と告知。事実、大谷は3月26日に靖国神社相撲場で来場予定だったが雨天などの理由で大会は中止となり、来場はかなわなかったが今回は、医師の許可と介護士、妻と娘が付き添い会場に姿を見せることが実現した。
今大会は入場無料のチャリティー興行で、試合は、大谷の医療機関からの指導による大谷の滞在時間などを踏まえ試合時間を全8試合をすべて20分1本勝負として開催された。
大谷は第1試合前にリング上からスペシャルゲストの藤波辰爾から呼び込まれると、入場テーマソングにのって車椅子で花道に登場した。満員のファンから大きな「大谷コール」が沸き起こるとステージ上でしばらく絶句し「ありがとうございます」とあいさつした。続けて「そして、大先輩の藤波さんから呼び込みしていただける本当に恐れ多い幸せです」と語った。
続けて「呼び込んでいただきましたが、今日はこの場所であいさつをさせてください」とリングに上がらないことを明かし「あぁ…プロレスの匂いがする。プロレスの声が聞こえる。プロレスの空気を感じる。帰って来た」と万感の思いを込めて約1年ぶりのプロレス会場に浸った。
そして「昨年4月、僕がケガをして以来、多くの方が頑張れ、負けるな、立ち上がれと熱いエールを僕に送ってくださいます。でも、僕はそのたびに…」と言葉を振り絞ると「ちょっとお水をもらえますか?」と水分を補給した。その上で「その熱いエールをみなさまからいただくたびに、やはり僕はこう思ってしまうんです。頑張っているのは僕だけじゃない。日々、戦うプロレスラーはもちろん、今日、ご来場くださった皆さんも毎日、どこかで歯を食いしばりながら一生懸命、大切な誰かのために頑張っているんです。だから、僕からもエールを送らせてください」とし「毎日、頑張る皆さまに僕からもエールを送らせてください。頑張れ!頑張ろう!頑張るんだ!負けてたまるか!何があっても負けてたまるか、だ。そして、一生懸命頑張ったヤツは報われなきゃウソだ。長年、言い続けたこの言葉を僕がこの体でこれから証明していきたいと思います」と約束した。
そして「今日も僕のプロレス界での熱い熱い仲間たちが全力のプロレスで皆さまに元気を与えてくださいます。なので皆さま本日も最後まで思いっきりプロレスをお楽しみください」と呼びかけると大きな拍手が大谷を包んでいた。
◆大谷晋二郎(おおたに・しんじろう)1972年7月21日、山口市生まれ。50歳。1992年2月に新日本プロレスに入門。同年6月25日にデビュー。97年には第5代ジュニア7冠王座を獲得。2001年に新日本を離脱しゼロワン旗揚げに参加。田中将斗とのタッグチーム「炎武連夢(エンブレム)」を結成し、2002年プロレス大賞最優秀タッグ賞を受賞。05年に「ZERO1‐MAX」を発足し、代表となる。「子供のいじめ撲滅・元気ハツラツ」をテーマに2006年から全国の小中学校を中心に講演会を開催。その数は100校を超す。身長181センチ、体重97キロ。得意技は、ドラゴンスープレックス、スパイラルボム、顔面ウォッシュ。