初めて酔いつぶれたのは1981年の春。桜が満開の東京・六本木のディスコで、コークハイを浴びるほど飲んで気を失った。あれから40年。還暦を過ぎても夜のパトロールは続けている。最近はB級グルメと一緒の昼飲みもレパートリーに加わった。基本は一人酒、テリトリーは生まれ育った東京・下町が中心。好きな言葉は「酒は裏切らない」。酔いどれ記者・今関達巳の生き様をぜひ読んで下さい(※店の情報は更新日時のものです)。

【ほろ酔い日記】なつかしい味は思い出の出入り口 静岡・沼津の「餃子のせラーメン」に胸がジーン

静岡・沼津市の中華料理「八福」はレトロな雰囲気の人気店だ
静岡・沼津市の中華料理「八福」はレトロな雰囲気の人気店だ

 私には友達がほとんどいない。唯一、仲良くさせてもらっているのが後輩のM君と月に一度の頻度でパチンコ店に集合して飲みに行く仲間たちだ。

 M君はやさしい人柄で大好きだけど、なぜか自主性がない。2人で飲みに行くことになって、私が「どこがいい」と聞くと「お任せします」。「たまにはイタリアンでも行ってみようか」と言っても」お任せします」。店に入って「何にする」の問いにも「お任せします」と同じセリフを繰り返すだけだった。

 注文したシーザサラダとマルゲリータのピザが運ばれてきて、「ピザにタバスコをかけてもいいか」と聞くと「お任せします」との返事が返ってくるのかと思っていたら、なぜか「ボク、チーズが苦手なんです。今関さん、お一人で食べて下さい」。最初から言ってよ。チーズが嫌いならイタリアンにも行かないし、シーザサラダもマルゲリータも注文していなかったのに。本当に自主性のない男だと痛感した。

 そば屋で2人で飲んでいる時だった。トイレに行ったM君が戻ってこなかった。心配になって様子を見に行くと、トイレ内で倒れているではないか。足を滑らせて転倒したらしい。頭を打っていたので私はM君を背負って会社まで戻り、救急車を呼んだ。緊急手術はしたものの大事に至らなかったが、私が解せないのは社内で「今関さんが後ろから殴打したんじゃない」という噂(うわさ)が根強く残っていることだ。命の恩人なのにまるで容疑者扱いには理解ができない。

餃子のせラーメンとウーロンハイ
餃子のせラーメンとウーロンハイ

 今週は静岡・富士スピードウェイに出張。M君との思い出とともに私の不謹慎極まりない若き日の記者時代もよみがえった。当時、富士の出張の宿泊先はJR線でも通える沼津市。仕事を終えてホテルに戻るとすぐにパチンコ店に出掛け、夜10時半過ぎまで打つ。その後は居酒屋で軽く一杯、飲んで締めは町中華「八福」の餃子のせラーメンだった。醤油ラーメンの中に3個の餃子が乗っているシンプルな料理だが、なぜかウーロンハイとマッチした。今回も「八福」にお邪魔して2杯のウーロンハイと餃子のせラーメンで胸が一杯になった。なつかしい味は思い出の出入り口なのかもしれない。

 ◇中華料理「八福」 沼津駅南口から徒歩3分、「あまねガード南」交差点の角にある。ちなみに日本テレビ系列で放送の「ヒューマングルメンタリーオモロウマい店」で紹介された「スパゲッティ夢の中へ」(今月閉店予定)の隣りの建物である。営業時間は11~25時。定休日は木曜日(変更あり、要確認)。席数は30席。店内には昭和の香りが漂っている。

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