ICE LINKとは?
フィギュアスケートを愛するすべてのみなさまに向け、スポーツ報知がお届けする会員限定コンテンツです。選手の生の声とともに、最前線で取材を重ねる記者、カメラマンから届く、様々な物語や瞬間を切り取った一枚など紙面では見られない“とっておき”をお楽しみください。スケートリンク(SKATING RINKS)と読者をつなぐ輪(LINK)のような存在となることを目指します。
フィギュアスケートのアイスダンスで“かなだい”の愛称で人気を博した村元哉中、高橋大輔組(関大KFSC)が1日にインスタグラムで引退発表。2日は都内で記者会見し、引退に至った理由や今後について、約1時間に渡りたっぷり語った。時に瞳をうるませ、また時には笑い、“かなだい”らしさあふる会見だった。2人の一問一答は以下の通り。
―普及活動みたいなことにもチャレンジしたい気持ちは?
高橋「なんかでもスケートの楽しさを伝えることは多分、僕らじゃなくても、多分、今の現役で頑張ってる子たちでも伝わってると思う。あとはもうコーチの方々とか。もしやるとしたら、やっぱりカップルの楽しさを教えるっていうか、伝えられたらいいなっていうふうには思いますかね。そこが今一番少ないんで。大変なこともたくさんあるけど、やっぱ2人でやったからこその喜びの大きさっていったものとかを伝えていけば、もっと興味ある子はやってみたいかも。で、それが楽しいと思えるような普及活動の仕方を考えていかなきゃいけないなと思いますし。良かったらそっちよりも、どっちかっていうと長くスケートやりたい人がどうやったらできるかっていう環境を作りたいなっていう方が今は強くて。多分ちっちゃい、やりたい子は、多分シングルかかなんかわかんないですけど、やりたい子、今いっぱいいるので。ただ続けたいけど続けられない子の方が、なんか自分としては、競技会だけじゃない世界でもなんかそういう場があるから、もうちょっと頑張れるよねみたいな環境が作れるようになればいいなっていう方が今は強いですかね」
村元「その話も聞いて、なるほどって思ったことがあるんですけど。まあ、例えば世界レベルで戦っていくことって本当に大変なことだと思うんですけど、まあそれでカップルで、誰かと一緒に滑る楽しさを伝えた上での、日本だけでの試合をもっと、できる環境を作っていくだったり。カップルを探してる人たちと一緒に私が一緒に滑るとか、大ちゃんが滑ってあげるとか、なんかそういった場をもっと増やしていくっていうのもすごい大事なのかなと思いますし。今、実際に組まれている方が全員集まって、なんかいろいろ一緒にやって行く合宿じゃないですけど、なんかそういった形でも、あのー、なんだろう、広がっていくのかなっていうのもあるので。スケートの楽しさを伝えるってすごい、言葉では難しいので、とにかく一緒に滑ってあげることが、それが一番早いのかなっていうか伝わるのかなっていうのを思うので。一緒に氷の上に乗れる機会をなんか増やしていきたいなっていうのはあります」
―「パートナーまた探す選択肢なかった」と村元選手。そう思えた理由は?
村元「そうですね。えっーと、本当大ちゃんと結成当初から、まずどのようなチームになるかも分からないところからのスタートで、本当1シーズン1シーズン、いろんなプログラムを作り上げていく中で、作り上げていく過程で、大ちゃんとの、なんだろう、感性だったり、大ちゃんが表現したいものと私が表現したいものとか、いろいろ自分の中ではすごいマッチしてるなーっていうのは、直接伝えてなくてもすごい、自分ですごいマッチしてるっていう思いがシーズンごとにすごい強くなっていって。2シーズン目の、それこそソーラン節のプログラムなんですけど、自分の中でも、世界でも、すごいインパクトあったプログラムになったんじゃないかなっていうのは感じて。こういった見たことないプログラムを大ちゃんと作りたいっていうのがすごいきっかけにはなったんですけど。そのシーズン終えて、まあ今シーズン、リズムダンスの方でも、とてつもなく速いプログラムというか、多分本当に、みんなすごいねって言っていただきましたし、オペラ座の怪人も、一緒に大ちゃんと滑れると思ってもいなかったので。本当にいろんなプログラムをして行く中で、これ以上の作品を一緒に作っていけるスケーターは多分いないだろうなっていうのをなんか思っちゃったので。本当シーズ通して、もう次のパートナーはまずないなっていうのはなんか感じました」
―スケート以外で挑戦したいことは?
高橋「そうですね。一度、氷艶っていうアイスショーがあるんですけど、まあそこでお芝居だったりとか、歌とかちょっとやらせていただいて。僕なんか本当にそういうのが、まあ向き不向きは別ですよ。ただ、自分自身がやってみて、本当にその世界観がすごく大好きで楽しかったので。もしスケート以外でっていうんだったら、そういった関係のものがもしチャレンジできるのであれば、仕事がオファーがあればとかによりますけど、なんか本当どんな役でもいいからやってみたいなとか。それこそね、スケート以外ですもんね。まずはそういうエンターテインメントの場っていうのもやってみたいし。でもフロアダンスっていうのもなんかチャレンジしてみたいですし、浅田舞ちゃんなんかね、タンゴやってて、すごくかっこいいなと思うし。僕もちらっとね、今回、今シーズンのね、ラテンやらせてもらったとき本当楽しかったので、なんかそういうダンスっていうと新しいダンスにチャレンジとかっていうのも興味ありますし、なんか色々ですね。なんか、やれることは、その時やりたいなと思ったことをやっていきたいなと思います」
―マリーナコーチに伝えて、反応は?2人にとってどういうコーチだった?
村元「そうですね。マリーナコーチに伝えたのは世界選手権前なんですけど」
高橋「本当に出発の」
村元「本当なんか出発直前、最後の練習」
高橋「が終わった後」
村元「なんか、こう、本当それこそ、いつ伝える?マリーナコーチに伝えようかっていう、ずっと悩んでいて。まあでも試合前に伝えようっていうふうになって。まあ伝えた時には、伝えてくれてありがとうみたいな感じで」
高橋「そんな気はしてたっていう、ちょっと感じてた、みたいな」
村元「あと、なんかまあ、あなたたちが作り上げてきたことは、なんだろう。すごいことをやって来たんだよ、みたいな感じで。とりあえず世界選手権は、なんだろう。楽しもうじゃないけど、とりあえず世界選手権は集中してやりましょうみたいな」
高橋「そんな感じだったかな。でも終わったあと、なんか世界選手権終わってから、もうそこで僕たちの中では、もう伝えたから分かってると思うから、だからいや、現役を引退するって言うなって言われて(笑い)」
村元「なんかもう一年休んでまた復帰する、なんかまた戻ってくるかもしれないでしょみたいな(笑い)」
高橋「あれ?話し合ったよね?と」
村元「伝わってないのかな(笑い)」
高橋「だからなんかね、俺も、国別に言っていいのか言っちゃいけないのかみたいな感じになってて」
村元「それこそ先日、マリーナコーチにも電話して、発表することになりますっていうことを伝えた時も、本当にマリーナもすごい感謝していたというか。なんか本当にまあ、私をコーチに選んでくれてありがとうっていうところから、大ちゃんが、He is a legendみたいな、もう彼はレジェンドみたいな。本当に大ちゃん大絶賛してました」
高橋「ね、まあ、そういった意味でもね。マリーナコーチはね、ほんとに情が熱いというか、まあ厳しいところもありますけど、本当に、大きな心で包んでくれて。でも明確にね、ビジョンもあって、それをちゃんと伝えてくれてて。まあ僕、結構自信持てないタイプなんですけど、結構マリーナが、自分を上げてくれて。本当にまあ2人の性格をよく分かっているというか。哉中ちゃんには、哉中ちゃんの対応するし、僕には僕の対応して、それも対応の仕方全然違うから。やっぱこれがオリンピックのスケーターを育ててきたコーチなんだなっていう。あとはもう最終的にどんと構えているので、何があっても大丈夫みたいな。なんかそういったところで、本当に安心してこうして挑めたっていうのが、やっぱりすごい支にはなりましたよね」
村元「全く同じなんですけど。本当あのー、なんだろう。それこそ自分に自信を持たせてくれるというか。これから作品を作り上げていく中でも、なんかこの間、電話したときに、あなたは何をしたいの?とか、そういうふうにも聞かれて。で、まあこうでこうでって話してたら、もっと自信を持ちなさいみたいなとか、作品を作り上げていく中で、何を作り上げるかではなく、自分がその作品を作って好きだったら、それでいいのみたいな。なんか、何をするかではなくて、どう作品を見せていくかっていうのが大事なんだよっていうのはずっと言われ続けていたので。本当にマリーナコーチの芸術性というか、見方とかだったりは本当に特別なものだなっていうのは感じました」
―アイスエクスプロージョンでプロスケーターとして始まる。どんな気持ちで?ファンの皆さんへも一言を。
高橋「そうですね。このアイスエクスプロージョンに関しては、シーズン中に作り上げたものなので、このアイスエクスプロージョンが終わって、再スタートだなって言う感じの方が強くあって。だから今までのこの3年間とか、これまで経験したものを詰め込んだのが、このアイスエクスプロージョンっていうショーで。さあじゃあ次はどんなものを見せていくかなっていう、最後のショー。なので、今までの自分っていう、とりあえず今見せて、これから次を楽しみにして欲しいなっていう感じではあります」
村元「大ちゃんをアイスダンスに誘ってからの3年間って、本当にたぶんみんなもいろんな不安があったと思うんですけど(笑い)」
高橋「(笑い)」
村元「大ちゃんをアイスダンスに誘ってくれてありがとうっていう言葉がすごいたくさん来てて、それは本当にあのー、私もすごい声をかけてよかったなと思いますし、これが終わりじゃないというか、これからやっとスタートするんだよっていう目で見て欲しいなというか。あのー、本当に温かくかなだいを見守っていただいて、すごい感謝してますと、伝えたいです」
高橋「そうですね。僕は一度引退しているので、長いことを見てくださったファンの方は多分、本当に1度目の引退の時は今後どうしていくんだろうっていうような不安の中、結構あったと思うんですね。僕自身もやりたいことが分からなかったので。ただ、この2度目の引退の時は、僕自身も本当にスッキリしてますし、まあ本当に今までいろんなことがあった中でも長くずっと応援して続けてくださって、すごくありがたいなと。僕自身、本当になんか自分でも何やってんだろうって思うような突拍子もないことをちょっとやったりとかする時も、温かく見守ってくれてたりとか、まあそれも逆に楽しんでもらってたりとか。本当に心の大きいファンの方がたくさんいらっしゃるので、まあこれから新しい世界に行きますけど、なんかまたびっくりさせられるようなことができればいいなと思っているので。まあ何が起こるか分かんないんですけど。まあその、ジェットコースターって結構言われるんですけど、まあジェットコースターまだまだ乗っていただけたらうれしいなと思っております。あとは本当に長い間、えっーと競技生活応援してくださってありがとうございました」