◆米大リーグ レッドソックス6―5ブルージェイズ(1日・ボストン=フェンウェイ・パーク)
Rソックスの吉田正尚外野手(29)が本拠でのブルージェイズ戦で「2番・左翼」に入り、3試合連続となるグリーンモンスター直撃の適時二塁打を放つなど2安打1打点。継続中としてはメジャートップタイの11試合連続安打となった。メジャーを見続けてきたヒルマニアは、吉田の成績がRソックスで5度首位打者の大先輩W・ボッグスに匹敵すると見ている。
114メートル二塁打 VTRのような光景だ。初回無死二塁。吉田が本拠フェンウェイ・パークの左翼にそびえる高さ11・3メートルのグリーンモンスターを直撃するタイムリー二塁打を放った。推定飛距離は114・3メートルも、5号アーチはお預け。「距離的に見れば100(メートル)を超えているのでホームランを欲しい」と苦笑いした。
3試合連続の直撃打を見て、私は1980年代にRソックスで5度首位打者を獲得したボッグスを思い出さずにはいられなかった。イチローに10年連続200安打で塗り替えられるまで、ア・リーグ記録はボッグスの7年連続だった。二塁打も通算578本。フェンウェイでは2・9試合に1本。他球場での5・5試合に1本の倍近い生産率は「グリーンモンスターを狙って打っていた」というエピソードを裏付ける数字だ。
吉田は11試合連続安打。進行中の記録としては、レンジャーズのR・グロスマン外野手に並ぶメジャートップタイだ。この11試合は43打数18安打で4割1分9厘。打率2割8分6厘でリーグ18位、出塁率も急上昇で3割7分7厘(同12位)となった。ちなみに、ボッグスはメジャー1年目で14試合連続安打をマーク。出塁率でも5年連続を含む6度のリーグ1位を記録している。
2日(日本時間3日)は4勝無敗と勢いに乗るブルージェイズ・菊池との顔合わせ。オリックス時代に26打数3安打の打率1割1分5厘。日本で20打席以上対戦した投手41人の中で最低の数字だった。苦手だった左腕に成長した姿を見せ、ボッグスのような道をたどっていけるだろうか。(ベースボール・アナリスト)
◆ウェイド・ボッグス 1980年代のメジャーを代表する安打製造機。Rソックス時代に4年連続を含む5度の首位打者を獲得した左打ちの三塁手。選球眼にも優れ、出塁率1位は6度。通算3010安打、打率3割2分8厘で2005年に野球殿堂入り。