◆明治安田生命J1リーグ 第10節 FC東京2―1新潟(29日・味スタ)
【FC東京担当・後藤亮太】FC東京が新潟に2―1で勝利し、今季初めてリーグ戦で連勝を飾った。
30日が20歳の誕生日で、10代ラストマッチだったMF松木玖生はボランチで先発。後半途中からはトップ下に入り、攻守で奮闘した。チームとしてもここ3試合は「4―2―3―1」システムを採用し、先発メンバーもほぼ固定したこともあり、松木が「試合の中で流れを自分たちで変えることが出来て、少しボールを握ることが出来たのは収穫」と話すなど、チームとしても上位浮上への弾みにつながる勝利を手にした。
それでも、試合後の松木は「個人的には全然、まだまだだったので、さらに20歳になって、もっと成長出来るようにしていきたいです」と表情を引き締めていたのが、印象的だった。
20歳に向けての展望を聞かれた時の言葉に、進化を目指す上でのキーワードがあった。
「個人的にはもっと、うまい、強いというより、怖い選手にならないといけないと思います。それは目に見える結果、ゴール、アシストをしていくことで評価も上がっていくと思うので、そこを目標にやっていきたいです」
高卒2年目の今季は開幕から得点に絡むプレーを増やすことを目標に掲げているが、先発5試合で得点の起点になるプレーや、セットプレーでのアシストはあったものの得点は0。「10代と20代ではサッカー面では大きく評価のされ方が違ってくると思う」と分析するように、世界的に見ると、ここから先は若手というくくりから少しずつ抜けいってしまう。だからこそ、松木が「怖い選手」と定義する「色々なところに顔を出したり、結果を残す選手」になるため、すでに証明している「うまさ」「強さ」の先にある、「怖さ」を追求していく。
青森山田高では3年時に主将として選手権優勝に輝き、FC東京でも高卒1年目で開幕スタメンを飾るなど、31試合で2ゴール。今季もインサイドハーフ、ボランチを主戦場とし、球際の強さ、豊富な運動量を武器に、すでにチームの中心選手として欠かせない存在となっている。さらにタイミングよく、ゴール前に進入するプレーも増えている印象も受ける。10代を振り返り「非常に満足しています。いい経験を1年目でさせてもらったので、これをしっかりと次につなげていけるように」。「怖さ」があり、さらに「うまさ」「強さ」まで兼ね備えた理想のプレーヤーへ、松木は高みを目指していく。