アスカは僕自身です…ウルトラマンダイナ・つるの剛士インタビュー〈4〉

スポーツ報知
ウルトラマンダイナ(C)円谷プロダクション

 「ウルトラマンティガ」に始まる「平成シリーズ」の第2弾として制作された「ウルトラマンダイナ」(1997年9月~1998年8月)。「究極の爆発力! 熱い闘いを見ろ!」がキャッチフレーズになっていましたが、ダイナに変身するアスカ・シンを演じたのが、つるの剛士(47)です。スポーツ報知では、15周年を迎えた2012年につるのにインタビュー。私生活では現在、5児のパパとなりましたが「アスカと僕は一心同体。これからも、演じる機会があればやっていきたい」と、インタビュー時、作品への熱い思いを語ってくれました。今回、このインタビューをWEBのみ4回に渡って再掲載。(文中敬称略)

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 最終回。ダイナはスーパーGUTSと力を合わせ、最大の敵・グランスフィアを倒したが、その時に発生した宇宙のひずみから逃げられず、吸い込まれ、光の中に消えていった。

 「そういう終わり方になっている、というのは、りっちゃん(ユミムラ・リョウ役の斉藤りさ)から最初に聞いたのかなあ…。『大変なことになっちゃうよ』って言われて。制作サイドも迷っていたようです。最終回をどういう設定にするかは。でも、撮影の時、『アスカ、本当に成長したな』って小中和哉監督【注1】が言ってくれた。リョウとの掛け合いのシーンがカットとなった後に『アスカは成長した。芝居も人間も…1年前と違う』って。本当にうれしかったですね」

 今春(取材時:2012年)、公開されたウルトラマンシリーズ劇場版作品「ウルトラマンサーガ」(おかひでき監督)【注2】で、ダイナ=アスカとスーパーGUTSのメンバーが登場するが、当初、テレビ放送の最終回で時空に消えていったアスカが地球に戻ってくる―という設定になっていたそうだ。

 「スーパーGUTSのメンバーも15年ぶりに出ていましたが、みんなの前に戻ってくる設定だったんです。それも、ほぼ決定稿で…台本を読んで『ちょっと違うな』と思った。で、おか監督と食事に行って『僕はアスカに思い入れがあるんんです。光の中に消えていったアスカが、こんなに簡単に地球に戻ってくるなんて…アスカの15年間って、何だったんでしょうね?』と言ったんです。(脚本の)長谷川圭一さんとも話して、それで設定を変えてもらったんです」

 つるの自身にとっても、光の中に吸い込まれてからが闘いだった―と振り返った。

 「タレントとして、いろんなことに挑戦して、いろんなことがあったけど、僕が芸能界に生き残っているからこそ、今回、15年たっても映画でアスカを演じることができた。腐っていたら、(映画に)出てくることはなかったはず。僕自身、これからもアスカと共に成長していくと思います。だって、アスカは僕自身なんです。今後も演じるチャンスがあるなら、喜んでさせて頂きます。あと、今(取材時:2012年)はウルトラマンはテレビシリーズがないでしょ?【注3】 何とかやって欲しいですね。円谷プロさん、お願いしますよ」

 【注1】立大卒業後の86年、「星空のむこうの国」で劇場映画デビュー。93年の「電光超人グリッドマン」を演出後、円谷プロ制作の作品を中心に活躍。06年の映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」などでメガホンを執っている。スーパー戦隊シリーズの「獣電戦隊キョウリュウジャー」(13~14年)も担当した。

 【注2】12年3月24日、全国松竹系映画館で公開。放送15周年を迎えるウルトラマンダイナ(つるの)、11年に10周年を迎えたウルトラマンコスモス(杉浦太陽)、そして、新たなヒーローのウルトラマンゼロが登場。ゼロに変身するダイガ・ノゾムをDAIGOが務めた。アスカを含めたスーパーGUTSのその後が描かれており、オリジナルメンバーが演じている。また、ウルトラマンシリーズでは初の全員女性の防衛チーム「チームU」が登場し、隊員役を秋元才加ら当時「AKB48」のメンバー7人が演じた。

 【注3】2013年放送の「ウルトラマンギンガ」以降、10年に渡ってテレビシリーズが続いている。

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