8年かけ東大卒業タカサカモトさん、世界で幸せを見つける歩き方…奇遇な縁からネイマールの通訳も

スポーツ報知
初著書を手に取るタカサカモトさん

 タカサカモトさん(38)の初著書「東大8年生 自分時間の歩き方」(徳間書店、1760円)では、人生に迷った東大生がブラジルなどを放浪しながら幸せの形を見つける道のりを描いている。サッカーブラジル代表のFWネイマールのアテンド通訳を務めたことがあるサカモトさんは「普段読書をしない人も、旅気分を味わいながら楽しんでもらえると思います」と著書の魅力を語った。(坂口 愛澄)

 サカモトさんは鳥取県内の高校在学中に「感受性が豊かな間に東京に出て、いろんな人の話を聞きたい」という思いから、東大受験を決意。見事、現役合格して上京を果たした。大学1年時に恩師と出会い、自分の時間を生きることに関する助言をもらった。

 「人生を全部変えられたくらいの出会いでしたね。『周りの時間に合わせて苦しむのか、自分の時間感覚で生き、周りと合わず苦しむのか。後者だったら苦しみ抜いた方がいい』というアドバイスをもらって。あの時から18年たち、自分の思ったやり方で何かを決めていくことが当たり前になりました。学生や誰かに相談されると、先生のことを思い出すことはありますね」

 3年生までは大学に通ったが、4年時から複数回、休学。大学6年生の夏にはメキシコへ渡り、タコス屋台で働いた。

 「1年と決めて行ったので、ホームシックになる時間なんてないですよ。若かったし、週7でタコスを食べていました(笑い)。屋台でゼロから仕事をもらって生きていたので、何かあっても大丈夫という感覚が身についた気がします。物事に対するハードルも下がりましたね」

 大学8年時には、YouTubeで見たネイマールのプレーに触発されたことを機にブラジル行きを決断。文学部で翻訳を学んでいたサカモトさんは、ブラジルの名門クラブ「サントスFC」の公式サイトの日本語訳が不十分であることに気づき、飛び込みで自らをプレゼン。スタッフとして働けるようになった。

 「プレゼンが失敗する気はしなかったんですよね。日本は肩書を重視する傾向がありますが、ラテンアメリカって自分の目で信用できるかを判断する人が多い。タクシーが強盗とグルになっていることだってありますからね。自分が言うことは興味を持つに決まっているという思いがありました。日本向けの業務を主にやっていました」

 ブラジルから日本に戻り、27歳でようやく東大を卒業した。2017年にはネイマールの父である、ネイマール・ダ・シウバ氏がスポンサー企業をサカモトさんに紹介したことをきっかけに、ネイマールの来日時にアテンド通訳を務めることができた。

 「サッカーというスポーツは時間と空間が関わるアートだと思っていて、ネイマールには元々アーティストとしての魅力を感じていました。通訳をさせていただくまでの経緯は結構特殊で、たまたまファミリーと仲がよかったんです。もし、ネイマールが嫌なやつだったら、探究するのをやめようと思っていたんですけど、シャイでとてもいい人でした。想像通りの人だったし、自分の世界を持っている印象を受けましたね」

 約6年前からは、サッカー日本代表でシュツットガルト所属の遠藤航(30)の英語レッスンも担当。語学を教えるにあたり「いかにストレスなく続けてくれるかを一番考えている」と明かした。

 「(遠藤は)当時24歳で、既に3人のお子さんを育てていて、彼の生活の中心は子育てだったんですよね。でも時間のなさを言い訳することはなく、遠征中に勉強したり移動中に音声を聴いたりして頑張ってくれていました。いろんな選手をみてますが、できる子クラスですね(笑い)。心から尊敬してますし、本当にバランスがいい人間だと感じました」

 著書を読み終えた知人からは「普段、本を読み慣れていないけど、面白くてパーッと読めたよ」といった感想が届いているという。

 「コロナで海外に行けない人も多いので、旅行気分を味わってもらえると思います。笑いの要素も少し入れているので楽しんでもらえるとうれしいですね」

 ◆タカサカモト 1985年4月12日、鳥取県生まれ、38歳。東大文学部卒業。ブラジルの名門サッカークラブの広報や、ブラジル代表ネイマールの通訳などを経験。現在は、プロサッカー選手を中心に、語学や異文化コミュニケーションなどを教えている。埼玉・浦和で子育て中心の生活を送る1児の父。

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