今回スポットを当てるのは道北の増毛町。約260年前に漁場が開かれて以来、道北で一番古い歴史を誇り、豊かな自然、海や山の幸に恵まれ、歴史的建造物も多い。「国稀酒造」は、日本最北の造り酒屋として知られる。同町商工会では、町名を活用したスカルプヘアローション「増毛町の願い」を販売、全国から注目を浴びている。(取材・小林 聖孝)
歴史的建造物が並ぶ増毛町内で人気スポットは、「国稀酒造」。佐渡出身の豪商・本間泰蔵が明治15年(1882年)に旧商家丸一本間家敷地内で創業、明治35年(1902年)に、現在地に増毛産軟石を使った酒蔵を建設。同町で撮影された高倉健主演の映画「駅 STATION」(1981年公開)のロケも行われた。
暑寒別岳を源とする伏流水(軟水)を使用。低温発酵で醸した香り高い「国稀大吟醸」、辛口だが丸みも帯びた「特別純米酒」、超辛口ながらこくと香りが豊かな「北海鬼ころし」などが人気商品だ。15種類以上のお酒を無料で試飲できる利き酒コーナー、地元限定酒、酒粕、小物などの売店、酒造りの道具、酒器などを展示する資料室(無料)もある。
新商品開発にも力を入れ、今年は「スパークリング純米吟醸TWILIGHT STAR」が道の経済部食関連産業局が定める「北のハイグレード食品2023」に選ばれた。国稀酒造株式会社の本間桜取締役企画室長は「伝統を守りながら、し好の変化に合わせた新商品も積極的に生み出していきたい」と“最北の酒蔵”の心意気を披露した。
◆増毛町 人口は約3700人。町名の由来は、アイヌ語の「マシケイ」(カモメの多いところ)から。出身有名人はフランス料理シェフの三国清三氏、1956年メルボルン五輪レスリング金メダル池田三男ら。
◇観光 観光案内所(旧多田商店)、元陣屋、旧増毛小学校、増毛駅など歴史的建造物。自然も雄冬(おふゆ)海岸、暑寒別(しょかんべつ)岳など見どころたっぷり。
◇特産物 海産物は甘エビ、ホタテ、タコ、ウニ、ヒラメ、サケなど。農産物もイチゴ、サクランボ、ブドウ、洋梨、リンゴ、米など豊富。
◇“増毛”商品 増毛町商工会ではスカルプヘアローション「増毛町の願い」=写真=を発売(地元価格は、税込み1000円)。養毛にいいと言われるカバアナタケエキス入りで、増毛町の伏流水も使用。「頭皮に潤いを与え、健やかに保つ」効用があるという。