徳島県知事選、自民系候補三つどもえ…情勢調査は後藤田氏が抜け出し三木氏と飯泉氏が追う

スポーツ報知
後藤田正純氏

 第20回統一地方選の前半戦は9日、知事選や政令市長選などの投開票が行われる。徳島県知事選は、前参院議員の三木亨氏(55)、前衆院議員の後藤田正純氏(53)、6選を目指す現職の飯泉嘉門氏(62)らの争いとなり、自民系候補が三つどもえの戦いを繰り広げている。

 徳島県では5期20年の飯泉県政を継続するか、刷新するかが最大の焦点となっている。飯泉氏の相手には、自民党の国会議員2人が立候補を表明。現職にも自民系議員が支援に入っており、保守3分裂の予断を許さない選挙戦が続いた。

 後藤田氏は衆院当選8回のベテランで、発信力を武器に県内各地を回り、市町村のトップとも積極的に意見交換を行った。選挙期間中には、茂木派幹部や石川県知事の馳浩氏も応援に訪れた。多選による長期政権の弊害を指摘し、自身が知事に就任した場合は、3期12年までに結果を出すと表明した。陣営幹部は「ミスなく、ここまで来られた。あとは結果を待つだけ」と語った。

 自民県連や連合徳島が支援する飯泉氏は出馬表明が出遅れ、挽回に必死だ。物価高対策としてのクーポン発行や子供の医療支援を訴える。三木氏は首長や議員を中心に活動し、二階派の議員も応援に。候補者の中では「唯一の徳島出身」とアピールする。情勢調査では後藤田氏が抜け出し、三木氏、飯泉氏が追う展開で、共産党新人の古田元則氏(75)が続く。

 後藤田氏と飯泉氏は県政運営などを巡って激しく対立してきた。飯泉氏は2選目以降、有力なライバルのいない戦いで「無風、楽勝の選挙だった」(党関係者)が、前回知事選では、後藤田氏が中心となって保守系の対抗馬を擁立。飯泉氏が約3万6000票差で接戦を制したが、その後も対立は続いた。

 74年の参院選では、後藤田氏の大叔父にあたる後藤田正晴元官房長官の公認を巡って、保守が長く対立する「阿波戦争」と呼ばれる状態に。保守3分裂の激しい選挙戦となった「令和の阿波戦争」は、「ある程度の決着はつく」(周辺)との見方もある。(久保 阿礼)

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