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【ヒルマニア】千賀滉大のお化けフォークは特別 MLB一球速報でスプリットではなく「Forkball」

スポーツ報知
千賀滉大(ロイター)

◆米大リーグ メッツ5―1マーリンズ(2日・マイアミ=ローンデポ・パーク)

 今季メッツに加入した千賀滉大投手(30)は「お化けフォーク」を武器に6回途中1失点で8三振を奪い、18年の大谷以来となるメジャー白星デビューを飾った。

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 5年総額7500万ドル(約100億円)の大型契約で入団した千賀。球界でも新人選手などに使われるキャッチフレーズが少なくない時代、ニューヨーク・メディアなど一部だけが使っていた“お化けフォーク”の威力をまざまざと見せつけ、米メディアには「評判通りのお化けフォーク」といった驚きの見出しが並んだ。

 1964年に村上雅則投手がジャイアンツでデビューしてから、千賀が日本人投手49人目。うち先発でスタートしたのは21人目となるが、インパクトの強さでは2018年の投打二刀流・大谷翔平を除けばやはり、1995年の野茂英雄だろう。千賀はその野茂に通じるものがある。

 千賀の大型契約と違って、野茂は契約金こそ200万ドル(当時1億8800万円)だったが、年俸はわずか10万9000ドル(同約1024万円)のマイナー契約。そこから先発ローテの座をつかんだ。デビューは5月2日、後に通算762本塁打を記録するB・ボンズが30歳だったジャイアンツが相手だった。その強力打線を5回1安打7三振。現在アストロズの名将D・ベーカー監督が「あいつ(のフォーク)にスイングがめちゃめちゃにされた」と苦虫をかんだ。

 当時は情報量が少ない時代。千賀は日本でのデータもそろっていただろう中で快投した。メジャーでは、野茂の在籍時はフォークと言っていた時期もあったが、近年は指に挟んで投げる球のほぼすべてをスプリットと表記している。ところがMLB公式サイトの2009年から始まった一球速報は今回、千賀の球をわざわざ「Forkball」と表記した。これもお化けフォークが特別な球と認知されたからこそだろう。

 野茂デビューの翌日、ニューヨーク・タイムズは「野茂英雄は米国野球への日本の最新の贈り物」と書いた。その期待通り、野茂は13勝し、奪三振王にもなった。千賀はどんな数字を残すのか、今から楽しみだ。(ベースボールアナリスト・蛭間 豊章)

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