藤井聡太六冠、タイトル戦続きの過密な日々も「このくらいなら大丈夫かなという気分」岡崎将棋まつり出演

スポーツ報知
徳川家康クイズに笑顔で挑戦する藤井聡太六冠

 将棋の藤井聡太六冠(20)=竜王、王位、叡王、棋王、王将、棋聖=が2日、愛知県岡崎市で開催された「第30回岡崎将棋まつり」にゲスト出演した。公開対局では佐々木勇気八段(28)に勝利。3日後に七冠を狙う名人戦が、11日には3連覇を目指す叡王戦が開幕する過密だが、「このくらいなら大丈夫かなという気分」と抱負を語った。

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 江戸幕府に「将棋所」を設け、名人制度の礎を築いた徳川家康生誕の地・岡崎で、藤井は満開の桜のような笑顔を咲かせた。

 5、6日には渡辺明名人(38)との名人戦第1局が「ホテル椿山荘東京」(東京・文京区)が行われ、11日からは叡王の防衛戦も同時進行で始まる。その直前に、師匠の杉本昌隆八段(54)を始め気心知れた棋士や女流棋士と地元・愛知で過ごす時間。「5日から名人戦が開幕するということで自分自身も楽しみな気持ちが大きい。歴史あるタイトルにふさわしい将棋を指したい」。いつも以上に朗らかな六冠がそこにいた。

 弾んだ気持ちは、来期の順位戦A級昇級を決めた佐々木との公開対局にも表れた。振り駒で先手となった藤井は、いつもの飛車先の歩を突く2六歩ではなく角道を開ける意表の初手。約900人の観客にどよめきが広がった。その後も、居玉のまま、子どもの頃から得意としていたという棒銀戦法に進み、魅せる将棋を披露した。

 奨励会三段時代に参加した16年には佐々木に、四段となりプロになって挑んだ17年にも豊島将之九段(32)に敗れた。2連敗中だった岡崎での公開対局に、三度目の正直で今回は勝利。非公式対局ながら、六冠となって初めての対局を白星で飾り、好調ぶりをアピールした。

 対局前のトークショーでも楽しげ。家康にまつわる〇×クイズでは真っ先に札を上げたものの、「自信は全くありません」。結果は不正解で場内は笑いに包まれた。

 佐々木の師匠・石田和雄九段(76)からは、タイトル戦続きの日々を「本当のこと言うと、そんな大変じゃないんじゃないですか」と問われたが、苦笑いしつつ「初めてタイトル戦に出た20年は月に10局くらい指してきつかったので、(今は)このくらいなら大丈夫かなという気分になっています」。いつもは謙虚すぎる言葉を並べる藤井がちらりとのぞかせた強気な姿勢には、王者の風格が漂っていた。(瀬戸 花音)

 ◆名人 将棋を好み、保護した徳川家康が主導し、江戸幕府は将棋所を設けた。第一世名人は初代・大橋宗桂。明治維新後も一度名乗ると死ぬまで名人の地位にある終身名人制が続いたが、昭和に入った1938年に十三世名人の関根金次郎が名人位を返上。実力名人制となり、木村義雄が第1期の名人についた。実力制で生まれた名人は15人。そのうち、名人位を通算5期獲得し、永世名人を名乗る資格を手にしたのは木村義雄、大山康晴、中原誠、谷川浩司、森内俊之、羽生善治の6人となる。

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