横浜FMは”鬼門”C大阪にまたも屈する…見えた前向き要素とは

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◆明治安田生命J1リーグ▽第6節 横浜FM1―2C大阪(1日、ヨドコウ)

 横浜FMは敵地でC大阪に1―2と敗れた。前半に2失点を喫し、後半38分にオウンゴールで1点を返したものの、追加点は奪えず。2011年以来となる敵地での勝利を目指したが、またも”鬼門”突破はできなかった。

 決定機の数で言えば、C大阪を上回っていた。少ないチャンスを決められ、数あるチャンスを仕留めきれなかった。改めて、サッカーは紙一重。マスカット監督は「フラストレーションのたまる試合だった」と首を振った。前半9、14分にMF水沼宏太が、0―1の同33分にはDF永戸勝也がビッグチャンスを迎えたがスコアは動かせず。決定力は”永遠の課題”だが、チャンスメイク、という意味ではいい形を生み出した。”継続”していくことが何より重要だろう。

 結果が出なければ意味がない、と言えばそこまでだが、ポジティブな要素も随所に見られた。右サイドバックの小池龍太と松原健を負傷で欠く中、特別指定のDF吉田真那斗がプロデビュー。マリノスのサイドバックが課されるタスクは決して簡単でなく、「ふがいない結果」と悔しさもにじんだが「運動量、スピードは要所で出せた」と手応えも。デビュー戦らしからぬ堂々としたプレー、空中戦での強さにもうなずけた。試合を積み重ねることで成長が見られるはずだ。

 交代で右サイドバックに入ったMF山根陸も「少しポジションを迷って迷子になってしまったところはある」と伸び代は大きいが、攻撃につなげる展開力や、賢さだけでなく少しずつ培っている力強さ、可能性を感じさせた。途中出場のFWヤンマテウスはオウンゴールを誘発。終盤、複数人が絡んで厚みをかけて仕掛けた怒とうの猛攻はチームが追求しているものを表現しており、指揮官も「最後まで諦めない姿勢をしっかり見せた」と話した。

 改善の余地を挙げるとすれば、”エウベル依存”は露見したように思う。この日のエウベルは本来よりややパスの細かなズレなどが目立ち、サイドからの突破を試みても数人に囲まれ、行く手を阻まれるシーンがこれまでより見られた。個人の能力に頼ることはあって当然だが、相手が対策も練る中、より前線での攻撃を活性化させるためにも、中盤など周囲のサポートも今まで以上に質を高める必要がある。

 大阪に帯同していたDF角田涼太朗が試合前日に体調不良となった背景もあり、センターFWの控えはいない状態だったが、FWアンデルソンロペスがリーグ戦でフル稼働し続けることにも、限界はいずれ訪れる。一人一人のプレー時間で質の高い出力をするためにも、ルヴァン杯での出場が中心となっているFW植中朝日らの奮起が、ますます欠かせない。

 今季マスカット監督は「成長」をテーマに掲げた。開幕から6試合、昨季上位陣との対戦がひしめいたが、結果は3勝1分け2敗。選手は反省の言葉も多く並べつつ、同時に前向きな言葉も多く口にした。”継続”かつ、積み上げが求められる優勝翌年。5日のルヴァン杯を挟んで、次は「横浜ダービー」での勝利へ突き進む。(小口 瑞乃)

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