陸上男子100メートルの日本記録保持者で2021年10月に右膝を手術した山縣亮太(セイコー)の2021年9月以来の復帰戦は、織田記念(29日、広島)での100メートルに延期となった。東京六大学対校大会(2日・国立競技場)の200メートルにエントリーしていたが練習中に左の内転筋をつり、大事をとって欠場した。
同日は高野大樹コーチが取材に応じ「ウエートトレーニングはできていたんですけど、走るときの力の入りにくさがあった。本人は痛みというより、違和感があったと表現していました。大事をとって次戦に備えようということになった」と状況を説明。今回は膝をかばってのけがではなく「内転筋自体、速度を出して走ると負担がかかる部分。速度を出してそうなったということなので、良い傾向かなと思っています」と話した。
最大の目標に定めているのは24年パリ五輪だ。3月20日の会見で山縣は「今年は復帰の1年目。膝の手術をした大変な1年のあとなので、とにかく1シーズン走りきることを目標にしたい。それで五輪の弾みにしたい。まだタイムの目標は求めずに行こうと思っています」と方向性を話していた。