◇高校野球静岡県春季地区予選(1日・浜松球場ほか)▽西部2回戦 浜松湖北0-9浜松開誠館
西部の2回戦5試合が行われた。昨春の東海王者の浜松開誠館は、最速145キロ右腕の近藤愛斗(3年)が、8回4安打無失点で毎回の12奪三振の好投。9回には本多優(3年)の先頭三塁打から一挙4得点と浜松湖北を9―0で倒し、春の県連覇へ好発進した。浜松学院は、背番号10の椿庵(3年)が1失点完投で、浜松西に4―1で勝利。聖隷クリストファーは、浜松商に12―0で5回コールド勝ちした。
浜松開誠館の返り咲きエース近藤と、打線では本多ツインズが、桜満開の結果を出した。直球に変化球を織り交ぜ8回無失点と毎回12奪三振、この日は最速142キロを出す圧巻の投球も「ボールが多かった。80点の出来」と不満げな表情を浮かべた。
入学直後の1年春にいきなり登板機会が与えられ、秋には背番号1に抜てきされた。だが、2年の春と夏はエースから降格。悔しさをバネにトレーニングで下半身を強化。球質が向上し、昨秋にその座を奪い返した。「今年は自分がレギュラーで引っ張る」と語気を強めた。
4番の兄・優と、1番の弟・駿(3年)の本多ツインズが、打で兄弟の絆を見せた。5回先頭で駿が四球で出塁。2死二塁で優が「ランナーをかえす」と真ん中直球を左越え二塁打、思いに応えるかのように駿が生還。2点目の追加点を挙げた。兄弟でタイプは異なる。3安打1打点を挙げた弟の駿を優は「むらなく打てる左打者」と評する。負けじと猛打2打点した自身の強みは「長打でつなぐ右打者」。9回先頭では三塁打を放ち、5者連続安打で4得点を呼んだ。
昨春の県と東海での王者が揺るぎない強さを見せた。大会連覇へとこの勢いのまま突っ走る。
(伊藤 明日香)
〇…聖隷クリストファーは鈴木一毅外野手(3年)が親子丼パワーを発揮し、12得点の5回コールド勝利に貢献した。2回2死満塁で、走者一掃の中越え二塁打を放った。190センチ、87キロと恵まれた体格は3食に加えて自炊の食トレで自らつくりあげた。得意料理は親子丼で「時たま仲間たちに食べさせています」とニヤリ。チームにも“パワー”が浸透していることを明かした。
〇…浜松学院は浜松西に4-1。椿が有言実行の完投勝利だ。「この試合は全部自分が投げる」と気合を入れてマウンドへ。2回には失策が重なり1点を奪われるも、3回以降は無安打無失点で「思っているピッチングができたのでうれしい」とニッコリ。打たれた安打も初回の1本のみ。9回1失点の好投に吉田道監督(48)は「2回を1点で抑えたのが大きかった。(椿は)良く投げた」と背番号10をたたえていた。