【センバツ】光・西原さくらマネジャーの挑戦「甲子園球場を目に焼きつけることができた」聖地でノック補助

スポーツ報知
ノックの補助を務めた光の西原さくらマネジャー(左)

 第95回センバツ高校野球大会は山梨学院の初優勝で幕を閉じた。逆転、サヨナラ劇が相次いだ熱戦の中、女子マネジャーが試合前のノック、練習補助でスポットライトを浴びる一幕もあった。ノック補助を堂々と務めた光(山口)の西原さくら女子マネジャー(3年)の胸の内に迫った。

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 聖地で歴史的な瞬間を目の当たりにした。3月22日の2回戦。光の西原マネジャーが、選手と同じヘルメット、ユニフォームを着用し、女子として史上初めて試合前ノックの補助を務めた。「普段からノッカーの動きを読んでボールを渡しているので、上手くいきました」。一朝一夕では身につかないであろう迅速で丁寧なボール渡しは、彼女のこれまでの努力を物語っていた。

 西原さんは、中学時までは主に外野手としてプレー。おじが南陽工時代の宮秋孝史監督(59)の指導を受けた縁で「おじさんが行けなかった甲子園に私が監督と行きたい」と光への進学を決意。マネジャーとしてチームを支えてきた。主な仕事は、ドリンク作りやボール拾いで、練習時間のほとんどをマネジャー室で過ごしていた。

 しかし今年1月に高木豊氏(64)=スポーツ報知評論家=が同校を訪れた際、「マネジャーでも戦える」と言葉をもらったことがきっかけで仕事は一変したという。すぐに監督へ直訴し、それまでは危険だとして制限されていたグラウンドでのサポートが、練習時間の大半で可能になった。

 そうした日頃の成果は存分に発揮できた。「女子が甲子園のグラウンドに立つことは難しいことだったので、監督さんや部長さんに感謝したいです。甲子園という素晴らしい球場を目に焼きつけることができました」。甲子園に刻んだ約7分間は、前例にとらわれるだけではなく、勝利のため、チームのためにグラウンドで戦ってきた何よりの証だった。(直川 響)

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