2022年の第98回箱根駅伝で、1年生ながら東海大の5区として区間2位と好走した吉田響(20)が1日、自身のツイッターで同大を2年で退学し、創価大の3年に編入したことを明かした。主力級の学生ランナーとして異例の“転校”に「覚悟を持って今回の決断をしました」と記した。
昨年の箱根路で鮮烈デビュー。山上りの5区を任され、7人をゴボウ抜きした。2年に進級すると山以外でも活躍。ハーフマラソンの合計記録で争う箱根予選会では、チームトップの好走で東海大の9位通過に貢献した。仮に吉田の記録をチーム11番手の選手に置き換えると、不在だった場合に東海大は予選11位で落選していた計算になる。
しかし、その後「チームと競技への考え方が一致しない」と感じるようになり、今年1月の箱根本戦では16人の登録メンバーから外れた。そして、環境を変えるため、退部と退学を決意。創価大3年の編入試験を受け、合格した。
創価大は今年の箱根8位で4年連続でシード権(10位以内)を獲得。5区には1年ながら13位と踏ん張った野沢悠真がおり、チームはさらに厚みが増す。吉田はすでに合流。今季、就任した築舘陽介コーチ(25)はツイッターで「学生が率先して響君に絡み(?)に行っていた。異なる価値観を受け入れ、うまく混ざり合えるから、このチームはもっと強くなれる」などと投稿し、創価大とともに“好スタート”を切った様子を明かした。
「諦めかけていた山の神という目標にまた、チャレンジできること、本当にうれしく思います」と吉田はつづった。残り2年。新天地で「4代目・山の神」の襲名を狙う。
(竹内 達朗)
◆吉田 響(よしだ・ひびき)2002年8月20日、静岡・御殿場市生まれ。20歳。原里中3年時に全国都道府県男子駅伝6区で2位。東海大静岡翔洋高2年時の同駅伝5区で22位。21年、東海大入学。1年時に箱根駅伝5区で2位。自己ベスト記録は5000メートル14分3秒44、1万メートル28分59秒90、ハーフマラソン1時間3分18秒。161センチ、46キロ。