山梨学院の校歌の声の主で野球部OB伸太郎、ナインやマネジャーを務めた長女に「ありがとう」応援曲も作曲

スポーツ報知
山梨学院野球部OBのシンガーソングライター伸太郎

 山梨学院が初優勝を遂げたセンバツ高校野球大会で、幾度も流れた校歌を歌っている声の主は、同校野球部OBで、シンガー・ソングライターの伸太郎(48)だ。1回戦から現地で応援。優勝の瞬間も内野席で見届け「歴史を変えてくれた選手たちにありがとうと言いたい」と喜んだ。

 現役時代は甲子園の土を踏めなかった伸太郎は、作詞家の阿久悠さん(故人)との出会いを機に歌手の道へと進んだ。今でも胸の中で生きているのは、野球をこよなく愛した阿久悠さんの「野球の中には人生の大切なことがすべて詰まっている」という言葉だ。「歌には人を動かす力がある」という信念で、母校を応援し続けた。コロナ禍の中では、もがく選手たちを励ます思いを込めた「球心歌」を贈った。

 今大会でチャンスの時に何度も流れた「BIGWAVE」も伸太郎の手によるもの。吉田洸二監督(53)が山梨学院に就任した13年に「チャンスの時に後押しするような曲を作ってもらえたら」と依頼されて作った曲だ。「勝たないと曲も話題になりませんからね。何度も流れて光栄です」と笑った。

 伸太郎は歌で勇気づけ、その娘は記録員として部を支えていた。マネジャーの中沢日瑚(にこ)さん(3年)は長女。バレーボールで日本一を目指していたが、けがをして断念。父親が果たせなかった甲子園優勝を裏方として支える道を選んだ。父娘で夢を叶(かな)えた伸太郎は「子どもたちがここまでしてくれるなんて」と感慨深げだ。

 春夏連覇へ向けて、応援を続ける。「少し休んでほしいという思いもあるけど、やはり夏も行こう! と言いたいですね。そして歌の力ってやはり必要なんだな、と。あと1、2曲作ろうかな、と思っていますよ!」。ナインとともに走り続ける。

(甲斐 毅彦)

 〇…山梨学院の選手47人が生活する富士見寮で15年間寮監を務め、3月31日で退職した藤原哲人さん(73)は妻の礼子さん(73)と学校内で行われたパブリックビューイング(PV)で優勝の瞬間を見届け「15年間の悲願でした。よく頑張ったね、というしかない」と涙ぐんだ。

 選手たちとともに食事をし、健康管理を請け負ってきた。体調を崩した選手がいれば、病院に連れて行くなど、親代わりをして来た礼子さんは「最後に持ちきれないほどのプレゼントを頂きました」と話した。

 在校生のほとんどは甲子園へ応援に行ったが、2日に公式戦を控えるサッカー部は学校内で応援。優勝の立役者となった林謙吾投手(3年)と同じクラスの斉藤幸之介さんは林について「成績も良く、友達に勉強を教えたりもする人」と語った。

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