◆第95回センバツ高校野球大会最終日 ▽決勝 山梨学院7―3報徳学園(1日・甲子園)
報徳学園は山梨学院に逆転負けし、2002年春以来21年ぶりの優勝を逃した。甲子園決勝は春夏通算4度目で、敗れたのは初。OBの大角健二監督が敗因を振り返った。以下はコメント要旨。
―試合を振り返って。
「完全に力負け。打力も投手力も総合的に負けました」
―4回に2点先制も、5回に7失点した。
「私が継投判断を誤った。
流れが向こうにいってしまってからの継投でちょっと遅かった。きょうは基本的には(間木、今朝丸の2年生投手)2人で考えていたので、ちょっと我慢した」
―3年生のエース右腕・盛田投手の登板は難しかったのか。
「そうですね、投げてもショートイニングだった。もともとこの冬、若干故障があって、(コンディションを)作っていくなかで、実戦の量が足りていなかった。そこで無理して(センバツ)大会に合わせてしまった。体が大きくなり、自分のフォームとのバランスを崩していて、ここで無理してさらに崩すより、夏を見すえて、無理をさせてないでおこうと思った」
―山梨学院のエース・林投手と対戦してみて。
「終盤にロースコアで持っていけば、林君は球数を放っているので勝機はあるかと思ったが(点差が)開き過ぎた」
―5回の守備、相手の流れを止めれなかった。
「(バッテリーに)ストライクをそろえず、時間をかけていいからワイドにいけと伝令も出したが、甘いところが多かった。勝負を焦っていたかな」
―あと1勝、勝ち切れなかった。
「優勝は難しいですね。山梨さんと比べて、うちはホームのような状態でこの結果ですから。点差以上の力の差がある。山梨さんは完全アウェーな空気で、自分たちの野球をされた精神力。あとは林君のこれだけ疲れているなかでのエースとしての気迫。そこに押されたかもしれない。最後まで勝ち切ること、盛田があの姿を見て、どう思うか。夏を勝ち切るためには、林君のような強い精神力のある投手に盛田がなってほしい。(3年生の)盛田が柱になってチーム引っ張ってほしい」
―準決勝で大阪桐蔭に勝って、もう一度気持ちを作るのは難しかったか。
「正直、きのう宿舎に帰っても、うわついていた。ミーティングして引き締めて、今朝の雰囲気はいつも通りだった。きのうは試合内容が劇的で、桐蔭は(昨秋)唯一負けた相手。その思いも強く、この冬も練習してきたので、そこで切り替えるのが難しかったのかもしれない」
―優勝への執念が足りなかったか。
「執念をもって、いい試合もたくさんしてくれたが、精神的なスタミナが最後まで持たなかったのかな」
―準優勝だ。
「一戦一戦振り返ってみると強豪校、力のあるチームばかりに対して、よくこういう結果を残してくれた。ただ、勝ち切れなかったことはプラスに考えて、生徒たちはメダルをかけてもらっても悔しそうで、満足していないようだった。夏へ向けて『まだまだやらないと』といい薬になった」