◆第95回センバツ高校野球大会第11日 ▽準決勝 報徳学園7―5大阪桐蔭(31日・甲子園)
昨春王者・大阪桐蔭は報徳学園(兵庫)に5点差を逆転され、史上初の2度目の春連覇を逃した。1点差と迫られた7回1死一、三塁から背番号1の最速148キロ左腕・前田悠伍主将(3年)が登板もいきなり同点とされ、8回に勝ち越し打を献上。エースにとって、9回に逆転打されて敗れた昨夏の準々決勝・下関国際(山口)戦に続く悔しい敗戦となった。以下は前田主将のコメント要旨。
―きょうの投球は。
「(西谷浩一監督から先発ではなく)後ろから行くぞといわれ、初回から準備はしていた。丁寧に1球1球投げたが、冷静さを欠いたところがあった」
―冷静さを欠いたとは。
「自分が一球目にレフト前に打たれてすぐ点が入った(記録は左翼ゴロ)。厳しい展開はわかっていたが、1球目をもうちょっと厳しくいったら結果も変わっていたんじゃないかなと。コントロールの甘さが出た」
―ほぼ球場全体が相手の応援となった昨夏の下関国際戦と重なったか。
「相手の応援がすごかった。似たような光景が広がっていたが、昨夏を経験しているからこそ、(上半身だけでなく)下半身で投げて、内野に声かけもできた。相手はいけいけ。球場全体がああなると、自分たちペースで野球ができないので、一定のリズムで投げず、食い止めようと投げた」
―強気な投球はできたか。
「チェンジアップはかわす球だが、攻める球でもある。チェンジアップで打者を惑わすとか、そういう攻め方をできた。まだまだ高めに浮いたりはしたが、何球かはいいボールがあったので、それを増やしていけば、(この日の7、8回の)ああいった場面で抑えられる。
もっともっと力をつけていきたい」
―昨秋の近畿大会決勝で3安打完封した報徳打線の変化は。
「下位から上手に、つないできた。1人1人の打者を出さないことを意識したが、どうしても流れはある。報徳の技量はあるが、流れを自分たちが断ち切れなかった」
―磨いてきたストレートは今大会どうだったのか。
「真っすぐ自体のレベルは上がっているが、若干シュートして甘く入ったりするので、まだまだ伸ばせると思う」
―夏への教訓は。
「きょう5点先制したあとの攻撃で、甘さがでた。そこからチャンスも作れず、甘さというか、ちょっとダレたところがある。試合終了まで全員が(試合に)入り込まないといけない。自分はコントロール、ローボール、勝負球…1球1球ていねいに投げ込まないといけない」
―試合終了時の気持ちは。
「やはりまだまだ力不足と感じた。5点先制して勝てた試合といえば勝てた試合。その後チャンスも作れず、力負けというか、自分たちの実力不足。きょう学んだ自分たちの弱さを夏までに、なくしていけたらいい。夏に切りかえたい」
―中学時代にバッテリーだった報徳の林純司二塁手にも安打された。
「力が入った。一番意識した。追い込んだんですけど、まっすぐが若干、力が入り、甘くなり打たれた。また対戦したら、もう二度と打たせない思いはある。自分から打ったことを踏まえて、自分たちの分まで優勝してほしい」