【ナ・リーグ東地区】昨季はブレーブス、メッツ、フィリーズがポストシーズンに進出。フィリーズがワールドシリーズまで駆け上がった。今年も3チームそろって大型契約で補強して厳しい戦いが続くはずだ。フィリーズはターナーが加入。WBCで5本塁打してその存在感を示した。ホスキンス負傷でシーズン全休となったが穴は埋まると思われる。メッツはサイ・ヤング賞バーランダーと2年契約も、抑えのW・ディアスがWBCでまさかの負傷で今季絶望、先発キンタナも出遅れで暗雲。千賀滉大の成績がチームのカギを握りそう。ブレーブスは豪華投手陣に捕手にマーフィーを獲得。スワンソンが抜けた遊撃だけが気がかりだ。マーリンズは首位打者アラエスが加入。サイ・ヤング右腕アルカンタラが昨年並の活躍なら面白い。ナショナルズは今年もチーム立て直しのシーズンか。
【ナ・リーグ中地区】侍ジャパンで活躍したヌートバー所属で注目度が上がったカージナルスが抜けている。昨季MVPゴールドシュミットとアレナドが健在で選手層も厚い。唯一心配なのは長年チームを支えた捕手モリーナが引退。打撃のいい捕手コントレラス加入も投手陣にどんな影響を及ぼすかだけだ。ブルワーズは投手陣はバーンズを中心に強力も2018年のMVPイエリチが3年越しのスランプから脱却出来るかが全て。彼が復調すればカージナルスとマッチレースになる。鈴木誠也が出遅れのカブスはスワンソンと2019年MVPベリンジャーを獲得も投打に力不足は否めない。レッズ、パイレーツは昨季の100敗をどこまで減らすかどうかに注目。
【ナ・リーグ西地区】昨季チーム最多の111勝したドジャースだったが、2人のターナーを始め戦力ダウンでその穴埋めも出来ずにシーズンを迎える。その点、今やお金の使い方が群を抜くパドレスが遊撃にボガーツと11年契約。出場停止から戻ってくるタティス、移籍2年目のソトにマチャドと恐ろしい打線。新たに6年契約を結んだダルビッシュ有含め投手陣もそろい大本命は間違いない。ジャッジ、コレアとの大型契約を目指すもまとまらなかったジャイアンツ。打線は小粒ながら投手陣は揃っており、上位2球団を脅かす存在ではある。若手が伸びつつあるダイヤモンドバックスは楽しみだが、4年連続Bクラスのロッキーズは昨季負傷で42試合の出場に終わった2016年MVPのブライアントの爆発だけが数少ない楽しみか。
【総評】昨年、リーグ優勝決定シリーズを戦ったフィリーズとパドレスがリーグ優勝候補ではないか。MVPはソト。サイ・ヤング賞はフル稼働でシャーザー。個人的にはターナー、スワンソン、ボガーツの3人の遊撃手が移籍先でどんな活躍をするのかを楽しみにしている。
蛭間 豊章
(ひるま・とよあき)1954年3月8日、埼玉県生まれ。名門・大宮高野球部は1年で退部したが、野球への愛着が募り、73年報知新聞社入社。記録記者、MLB専門記者と野球一筋。野球知識検定3級。ウェブ報知内のブログ「ベースボール・インサイド」(https://weblog.hochi.co.jp/hiruma/)や野球コラムも執筆中。愛称は「ヒルマニア」。