◆米大リーグ オープン戦 ブレーブス7―5レッドソックス(28日、米フロリダ州フォートマイヤーズ=ジェットブルー・パーク)
【フォートマイヤーズ(米フロリダ州)28日(日本時間29日)=一村順子】レッドソックスの吉田正尚外野手(29)がオープン戦最終戦で特大の“メジャー初本塁打”を放ち、開幕へ弾みをつけた。「4番・左翼」で先発した本拠地・ブレーブス戦で、一時逆転となる2ランを中堅右の最深部に運んだ。日本人では史上初めて米1年目の開幕戦で4番に座ることが有力だ。米大リーグは30日(同31日)、全30球団が一斉に開幕を迎える。
代名詞のフルスイングに導かれた吉田の打球は、軽々と中堅右のフェンスを越えていった。1点を追う初回2死三塁の1打席目。メジャー通算116勝右腕・モートンの2球目、シンカーを完璧に捉えた。中堅右への134メートル弾。オープン戦最終戦で飛び出した“メジャー1号”に「センター方向を意識しながら、打球スピードはまずまずだと思うので、アプローチとしては良かった」とうなずいた。
5年総額9000万ドル(約120億円)で獲得したスラッガーの一撃に、地元中継局は「ほぼ無風の中で、440フィート(約134メートル)弾を放った」と興奮気味に伝えた。WBCでは準決勝・メキシコ戦で同点3ランを放つなど大会新の13打点をマークし、評価はうなぎ登り。早くも新人王候補に挙げられ、一部メディアは「マニー・ラミレス以来」と、通算555本塁打を放ったレ軍のレジェンドと吉田の才能を重ね合わせた。
オープン戦は打率2割3分1厘、1本塁打、2打点で終えた。米1年目にキャンプ途中にWBCに出場するという難しい調整となったが、「うまく調節しながら乗り越えられた。今、体が痛いところはない」と万全を強調。コーラ監督は「打球角度もつけられるし、直球に食らいつくし、逆方向にも打てる。状況に応じて対応できるところが素晴らしい」と欠点のない打撃を絶賛した。
30日(日本時間31日)に本拠地で行われるオリオールズとの開幕戦は「4番・左翼」での先発が濃厚。「ワールドシリーズ優勝がチーム最大の目標。最後まで戦い切りたい」。もう一つの世界一を目指す戦いが始まる。