第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で14年ぶりに優勝した侍ジャパンの栗山英樹監督が27日、都内の日本記者クラブで会見を行った。村上宗隆内野手への期待を語った。
栗山監督は「何が何でも勝ち切る。日本の野球が世界一になるというのが一番目にある」という任務が日本の指揮官としての最初の使命と前置き。その次の使命が、「日本を代表する選手たちがこの大会が終わった後に必ず何人か出てくる。その形がこれからの日本球界に必要で僕がやらないといけない」と語り、村上がその筆頭だという考えを明かした。
WBC開幕から4番を打った村上は不振が続き、準々決勝から5番を打っていたが、「どんな選手がきても日本で4番を打てると僕は思って前に進めていた。(大会が)終わったときに村上は日本の4番だよね、と思っていた」と並々ならぬ期待を寄せていたことを明かした。その上で帰国後、「宿題を持ったまま終わるよ。今回出たメジャーリーガーを越えるために、一番になるために宿題があったほうが人間前に進めるからね」と伝えたと言う。
大会中は大谷や吉田がベンチで熱心に村上を教えていたと証言。「僕以上に若い選手が世界に向かって、もっと良くなるとみんな思っている」と頼もしさを実感した。その上で、「僕は彼が必ず頂点に立つと信じている。それに僕はお手伝いしたいと思っただけ。(村上は)チームが勝ち切ってほっとしているんじゃないかな。逆にいえば村上選手も苦しんでいるし、もっと高みにいくためにどんどん続けなければいけない。彼が引退するときに『あの23年の春先が、僕の今を作って』と言ってくれると信じている」と締めくくった。