◆オープン戦 巨人5―2楽天(25日・東京ドーム)
楽天とのオープン戦に3番手で登板した直江大輔投手(22)が1回を無失点。連投テストに合格し、開幕1軍を引き寄せた。
覚悟を持って右腕を振った。6回2死。直江の変化球に、伊藤裕のバットが空を切った。6回から3番手で登板し、1回無安打無失点、2奪三振。連投テストをクリアし、中継ぎでの開幕1軍に大きく前進した。
「どんなポジションでも1軍に。とにかく1軍で投げることが目標なので先発、中継ぎ問わず、とにかく1軍でやりたいという気持ちが一番です」。開幕1軍への執着心を、ボールに乗せた。先頭の島内を三ゴロに打ち取ると、ギッテンス、伊藤裕をスライダーで連続三振。140キロ後半の直球と変化球を制球良く操った。原監督は右腕の成長を評価。「直江はいいね。あえて今日は連投させたんですけどね。精度も落ちずにね。非常にいいですね」と拍手を送った。
昨季はプロ初勝利を挙げるなど9登板で1勝1敗、防御率3・38。2軍スタートのキャンプでは、右手親指付近のマメの影響でスロー調整を強いられたが、その時間を無駄にしなかった。「力を一回上にためて、上から下に叩きつける意識」と、左手と左足の上げ方を高くしたフォームに修正した。直球は常時140キロ後半となり、「直球で押せるようになった」と手応えを得た。
オープン戦5試合で6回2/3、防御率1・35と堂々の好成績をマーク。現状、1軍で実績のある中継ぎ右腕は少なく、成長著しい5年目右腕にかかる期待は大きい。(宮内 孝太)
◆堀内恒夫Point
びっくりしたよ。去年投げていたやつとは違う。横に滑る直江のスライダー。これが本物のスライダーだ。しかも、狙った所に投げられている。伊藤裕を三振させたインスラは見事な1球だった。真っすぐが平均以上。スライダーとフォークの2つの変化球もあるから、1軍で十分通用する。とりあえずリリーフで経験を積ませてもよし。先発の頭数が足りなくなった時には、先発としても使える。
◆リリーフ陣の現状 例年、開幕は先発投手を登板日で登録できるため、救援投手は8~9人を登録する。現状、1軍のリリーフは右はロペス、鍵谷、船迫、直江、田中豊、田中千。左は高梨、今村、大江、代木の計10人。加えて、侍ジャパンから大勢が合流する。右では大勢、ロペス、鍵谷が当確。直江は船迫、田中豊、田中千と争っている構図だが、直江が一歩抜け出した形だ。