競泳女子の池江璃花子(ルネサンス)が25日、都内で日大の卒業式に出席。さわやかな色のはかま姿で式に臨み、卒業証書を受け取った。式後には「無事に4年間を終えられて、ほっとしてる」と穏やかな表情を見せた。
2019年にスポーツ科学部に入学。同年2月には白血病を公表し治療中だったため、入学式は欠席していた。「高校の卒業式も出られず、最後のイベントは大学の卒業式だけだと思っていた。こうして健康に、卒業式を迎えられてうれしい」と池江。治療中に取得できなかった単位は学業に復帰後、休暇を利用して課題に取り組んだ。「みんなと一緒に卒業したくて、頑張れた」と振り返った。
闘病を経て、20年8月に競技復帰。21年は東京五輪に出場した。ただ昨年の世界選手権は代表権を逃すなど、様々な思いをした4年間。「本当に、生きるか死ぬかを経験した4年間でもあるし、誰よりも充実した4年間を送れたと思う」。そばで支えてくれたのは母をはじめ、家族や仲間たち。母の美由紀さんを思うと涙を浮かべた。「私が病室で元気でいても、母はすごく落ち込んでいたり泣いていたりして、一回だけ私が怒ったことがあって。『私がこんなに前向きなのに、周りの人が前向きじゃないのはしんどい』という話を一回だけして。それからは母も笑顔で私のことを支えてくれて、こうして晴れ姿を母に見せることができて、すごくホッとしています」と語った。
4月からは新たに横浜ゴムに所属し、7月の世界選手権(福岡)切符をかけた日本選手権を控える。5種目にエントリーしている池江は「自分のやるべき事は全力で泳いで、個人で代表権を獲得すること。それ以上のものは求めずに、しっかりアスリートとしての気持ちを整えて臨めたら」と、日本代表復帰を誓った。