ファンのみなさま、おめでとうございます((C)ヤクルト・若松勉監督)
休暇を使って渡米し、マイアミで侍ジャパンが世界一に輝くのを見届けた。決勝は“村神様”の本塁打に始まり、ダルビッシュ、投手・大谷、と見たかった要素が満載の勝利。帰り道で日本のファンと喜びあい、米国ファンからも「おめでとう」「いい試合だった」「オータニー」と声をかけられ、一生忘れられない日になった。
個人的に17年越しの、夢の世界一だった。入社前の2006年、大学卒業一人旅で第1回WBCの米国戦をアナハイムで観戦した。「デービッドソンの大誤審」は何が起きたか理解できず、隣のメキシコ人に身ぶり手ぶりを交えて説明してもらった。ただ日程の都合で日本戦は1試合のみ観戦で、優勝したことは帰国便の機内のアナウンスで知った。決勝の地・サンディエゴまで足を伸ばさなかったことが、ずっと心に引っかかっていた。
入社して17年目の今年。永年勤続休暇の使い道を考えた時、WBC観戦でマイアミヘ、が選択肢として自然と浮かんだ。今度こそ世界一になる瞬間が見たい。行くしかない。半ばノリと勢いで決めたものの航空券、ホテルなど何から何まで高く、飛行機に乗るまで少し後悔していた。
そんな気持ちは現地に着いてどこかに消えた。街で見かける日本人は応援に来た人が大半で、誰もが侍ジャパンを応援する仲間のよう。久しぶりにスポーツが人を繋ぐ力を体感できた。準決勝のサヨナラ勝ち後、周囲とハイタッチした際の力が強すぎたのか、左手親指が突き指したように痛いのも笑い話にできる。
マイアミでの2試合は多くの方と楽しい時間を共有した。また道中、たくさんの方に助けていただき感謝してもしきれない。このコラムを通じて気持ちが少しでも伝われば、と願っている。ありがとうございました。 Thank you.gracias.(記者コラム・大和田佳世)