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【WBC】ありがとう 大谷翔平、ダルビッシュ有、そして日本野球の底力…ヒルマニア特別編

スポーツ報知
大谷翔平

 日本が3大会、14年ぶりのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の優勝を果たした。アジアラウンドでは相手を寄せ付けない戦いを演じていたが、海を渡った米国での準決勝、決勝はハイレベルな戦いを制した。

 準決勝で日本に逆転サヨナラ負けを喫したメキシコのヒル監督は「Japan advances, but the world of baseball won tonight.(日本が勝った。しかし、今夜の試合は野球界そのものの勝利だ)」という名言を残して、スタジアムを去った。

 好打、好守、好走塁。本当に野球の面白さが凝縮された試合でMLB.comでは、WBCの歴代最高の試合と評価するほどだった。

 私は今年報知新聞で51年目の記者生活を迎えるが、これまで個人的に何度も繰り返して見たい試合は1972年6月2日、後楽園球場で行われた巨人・阪神戦。阪神が10連勝で乗り込んだゲーム差無しの週末の3連戦初戦、巨人・掘内恒夫、阪神・江夏豊が先発し、田淵幸一が2本塁打した。当時の日本テレビ系列では金曜日にプロレス中継があるため、その日は巨人戦の中継はなかったことが惜しかった試合だった。しかし、今回の試合は、それを上回る最高の試合として私の記憶にも刻まれるベストゲームとなった。

 日本代表は過去2大会連続準決勝で接戦を落としたが、ハイレベルな成績を残している。二刀流・大谷翔平を育てたのは日本野球なればこそ。メジャーに即飛びこんでいたら、どちらか一方に専念させたれていただろう。栗山監督率いる日本ハムだったからこそ。日本野球の柔軟性の賜だったと言っていい。

 2010年代以降、日本では野球離れ云々が叫ばれているが、21歳の佐々木朗希、23歳の村上宗隆のような怪物が生まれる土壌を考えればレベルは落ちていない。かつては野球だけがNO1スポーツで多くの少年が熱中したが、サッカーを始め多くのスポーツにも注目されるようになり、個人的には、現在の野球人口が適切ではないかと思っている。

 高野連が発表している野球部員の数は、1972年は11万7246人だった。それが団塊世代のベビーブームとなった1989年以降一気に増え続け2009年には16万9499人。それが随時減少。それでも昨年でも13万1259人もいるのだ。

 

 最後に今回はエンゼルスの大谷翔平、そしてパドレス・ダルビッシュ有の参加が大きかったのは言うまでもない。彼らの出場こそがチームの結束力に繋がった。

 ありがとう、大谷翔平、ダルビッシュ有、そしてビバ日本野球!

 蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)

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