【こちら日高支局です・古谷 剛彦】4・19ホッカイドウ競馬開幕へ 全120頭能検クリア

スポーツ報知
16日の能検で一番時計をマークしたカプセル

 4月19日に開幕するホッカイドウ競馬では16日、2歳馬による能力検査(能検)がスタートした。800メートルを基準タイム(4月30日までの期間は57秒0、それ以降は56秒0)内に走ることに加え、枠入りや枠内の駐立、ゲート直後や道中の所作なども合否の判断につながる。今年は本走路の馬場改修及び砂の入れ替え作業に伴い、4月上旬までは内走路を使用して実施される。

 日高地方は13日にかなり雨が降った影響で、能検初日は不良馬場でスタート。昼から雨が降り出してレースが進むにつれて雨足が強くなり、直線が強いアゲンストだったことを含め、2歳馬たちにとっては悪条件での受検だった。とはいえ、21レースに120頭が出走し、全馬が合格した。

 ホッカイドウ競馬では、ゲートの受検前にゲート練習を2回行うことが義務付けられている。本走路が使用できない状況でゲート練習も内走路で行われているが、普段は屋内坂路で調教を進めていることから、コース慣れしていない馬ばかり。しかも、コーナーがきつく、馬格のある馬や外枠の馬が3コーナーをスムーズに周ることができないケースが少なくなかった。それでも51秒以内は16頭で、うち4頭が50秒を切る時計をマーク。今年もハイレベルな2歳戦が期待できそうだ。

 一番時計は20Rに出走したマジェスティックウォリアー産駒のカプセル(牡2歳、北海道・田中淳厩舎)がマークした49秒1。スタートは普通だったものの、二の脚を利かせて3コーナー過ぎで先頭に立つと、ラップを緩めることなくゴールまで駆け抜けた。一緒に能検を見たオーナー、山口ステーブルの山口裕介代表は「ゲートから出すことを育成場では行っていないので、スタートは速くないことは分かっていました。追い出してからの反応が見たかったので、落合騎手はそれを意識してビシッと追ってくれたと思いますが、良い反応を見せてくれました」と、競走馬のステージに上がったことでまずはホッとしていた。開幕日に組まれるスーパーフレッシュチャレンジ(1着賞金500万円)を目指す予定だ。

 新種牡馬では、アポロケンタッキー産駒のリメンバーアポロ(牡2歳、北海道・桧森厩舎)が3Rに出走し、50秒2で逃げ切ったのが最も速いタイムだった。1番枠から好スタートを切り、道中は折り合いのつく走り。直線で気合をつけられた後の反応も良く、2着レディーズデイ(牝2歳、北海道・田中淳厩舎)に2秒5差をつけた。アポロケンタッキーは16年東京大賞典を制すなど、ダート中長距離で活躍。初年度の血統登録は47頭、2世代目は39頭いる。昨年は54頭と交配したが、6月に盲腸破裂のため早世した。わずか3世代の中で最初に能検を受けた馬から非凡な能力が見られた点に、後継馬を送り出すような産駒の活躍を期待したい。

 また、2着だったレディースデイも新種牡馬のロジャーバローズ産駒。3コーナーで外に膨れてしまったロスが大きかったが、その後は真面目に走り切った。モーニン産駒は初種牡馬の中で最も多い7頭が登場したが、10Rに出走したパレスレガシー(牡2歳、北海道・角川厩舎)が51秒3で逃げ切り、1着となった。ホッカイドウ競馬の能検は、開幕を迎えるまでは毎週木曜に実施される。(競馬ライター)

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