引退ユーバーレーベンのオークスVに自信があった野島厩務員「装鞍所で走ると言った」

スポーツ報知
1月のアメリカJCC3着を最後に引退となったユーバーレーベン

 21年のオークス馬ユーバーレーベンが今月3日に引退した。美浦・手塚厩舎に行くといつも馬房で人懐っこい姿を見せてくれたが、その側には、いつも穏やかな表情で見守る野島厩務員の姿があった。ユーバーからはたくさんの感動をもらったが、改めて野島厩務員に思い出を語ってもらった。

 デビュー時の印象について「これほどの馬になるとは思っていなかったです。新馬戦も不良馬場がプラスになったのかなと」。それが変わったのが2戦目の札幌2歳S。20キロ増だったが「(レース週の)木曜まで変わらなかったのに、当日は増えていて。それでもソダシと接戦を演じて、この馬は走るなと思いました」と能力と成長力に手応えをつかんだという。

 ところが、その後はなかなか賞金を加算できなかった。「周りの人から持ってないねと言われました。それでもオークスには出られると変な確信があったんです」。さらに「減り続けていた体が戻り、状態もグンと良くなって。装鞍所で(手塚)先生に走りますよと言ったぐらい」。その見立て通り、大きな成長を遂げていたユーバーは力強く抜け出し完勝。阪神JFまで2歳時に3度も敗れたソダシに、大一番で雪辱を果たした。野島厩務員は「嬉しかったのもあるけど、それ以上に行き着いたという思いが強かったです。G1を目指しながら、かなわず去っていった先輩たちを見てきたので。自分の担当馬がG1を勝つのは夢でしたから」と振り返る。

 一番の思い出は、昨年3月のドバイ・シーマクラシックへの遠征。「人も馬も海外は初めて。コロナ禍でほとんど経験がなかった観客がいる中で、しかもナイターですから」と心配が募ったという。「慣れない環境で心が折れそうになっていた私に『大丈夫よ。安心して』という気持ちが伝わるぐらいパドックでも落ち着いて、いい走りを見せてくれました」。15頭立ての5着に抱いた感情は、安ど感が勝った。

 ファンがとても多く、厩舎にはこれまでたくさんのお守りが届いた。「温かいお手紙もいただき、ずっと励みになりました。それだけに、もう一度勝利する姿を見せたかたったです」と、無念さもある。それでも「彼女はオンとオフがしっかりできる馬で、それがとても大事なことだと勉強させてもらった。感謝しかないです」と大きな財産だと語る。

 現在はユーバーと同じラフィアンターフマンクラブのマイネルラッシュ(牡3歳、父ダイワメジャー、母ワンダフルラッシュ)を担当する。「この馬もいいモノは持っていますし、一つでも多く勝たせてあげられたら」と優しい表情で語る野島厩務員とユーバーレーベンに心から感謝を伝えたい。(松井 中央)

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