◆第95回センバツ高校野球大会第3日 ▽2回戦 大阪桐蔭3―1敦賀気比(20日・甲子園)
大阪桐蔭の前田悠伍投手(3年)が毎回の14奪三振の快投を演じた。
世代NO1の呼び声高い左腕は敦賀気比から初回に2つの三振を奪うとリズムをつかんだ。「初回0点で抑えようと思っていて、そこから粘り強く投げられた」。クロスファイアー気味の140キロ台の直球とチェンジアップを武器に走者を背負っても三振を奪って相手にスキを与えず。
5回は2死一、二塁のピンチにも8番・高見沢郁魅内野手(3年)を空振り三振に仕留めるなど6回まで毎回走者を許す展開にも動じず。「1点もやれない中で全力で力を振り絞りました」と気迫の投球。「スコアリングポジションにいったらひとつまたギアを上げて投げますので。頼もしく見ていました」と西谷浩一監督も全幅の信頼を置く通り、相手に三塁を踏ませたのは失点した4回だけ。8本のヒットこそ浴びたが格の違いを見せつけた。
試合後は表情を変えず振り返った。「初戦全員で力を束ねて入ろうと思った。勝てて良かった。今日は特にチェンジアップが良かったです。後半にかけて相手を圧倒するつもりで強気のピッチングをしました」と気持ちを込めた。今大会の参加チームだけでなく、全国の球児から注目される名門校のエースで主将。プライドを持って臨んだマウンドで史上初となる2度目のセンバツ連覇へ力強い白星をもぎ取った。