NHK・BS1の「ワースポ×MLB」の月~金曜キャスターを務める山本萩子(しゅうこ、26)が、WBC開幕直前インタビューに続き、スポーツ報知に再登場。キャスター業界でも屈指の大リーグ通が侍ジャパンの準決勝、決勝を前に展望と対戦国の有力選手を語った。悲願の世界一へ、継投でリズムを作ることが侍ジャパンの勝利へのカギという。
* * * * *
ここまで危なげなく進んだ侍ジャパン。山本は「どこからでも点が取れて、打線として機能するバランスの良さをすごく感じました。打つ方では吉田(正尚)選手の存在がすごく頼もしかったですし、投手面では今永(昇太)投手が精神面にも技術的にも安定感を発揮していた」と総括する。
キャスターとしてメジャーの試合を分析し、伝えてきた。準決勝、決勝の舞台となるマーリンズ本拠地のローンデポ・パークは人工芝。「雨の天然芝で苦戦するという心配はないので、打たせて取るスタイルでも影響はないのかなと。日本にとっては追い風」と話す。
準決勝で激突するメキシコにも、21年ア・リーグ新人王のアロザレーナ(レイズ)らメジャーリーガーがズラリ。「ヌートバー(カージナルス)と同じぐらいのOPS(長打率+出塁率)を残している選手が9人そろっている打線。やっぱり強い」。先発予定のサンドバルは大谷(翔平)と同じエンゼルスで、同僚対決にも注目が集まるが「剛腕という感じではないので、好機はある」とみる。
「警戒すべきは捕手のバーンズ(ドジャース)。前田健太投手(現・ツインズ)ともバッテリーを組んでいて、日本の野球が分かっている。フレーミング(微妙なコースの投球をストライク判定に導く技術)も非常にうまいので、投手有利なカウントに持っていかれてしまう」と語る。「怖いところは勢いに乗ってしまった場合。クローザーのガエゴス(カージナルス)はすごいボールを投げてくるので、ビハインドで終盤に突入する展開は避けたいですね」
劇的な展開でベネズエラを下し、準決勝進出を決めた米国の試合も見届けた。ターナー(フィリーズ)の逆転満塁弾に「さすがの勝負強さ」とシビれた。「米国のキーマンは遊撃のアンダーソン(Wソックス)。短期決戦が得意で、出塁すれば足もあるし長打力もある。キューバはモンカダ。アンダーソンと同じWソックスで中軸を打ち合う選手。一発には要注意です」
世界一への道のりは簡単とは言えない。「5点ぐらいを前後して6対5とか5対4のような僅差になる展開になっていくのでは」とみる。「日本の投手陣の層は厚いので、継投でリズムを作って、状況次第で全部つぎ込むような感じでもいいのかと思います」と総力戦に期待した。
◆山本 萩子(やまもと・しゅうこ)1996年10月2日、神奈川県出身。26歳。日本女子大卒。在学中からフリーキャスターとして活動し、日本テレビ系「ZIP!」などに出演。19年から「ワースポ×MLB」の月~金曜キャスターを務め、今年も3月27日からワールドシリーズまで放送される。