◆イースタン 巨人6―4西武(19日、ジャイアンツ)
巨人のドラフト1位・浅野翔吾外野手(18)=高松商=が19日、イースタン・リーグ開幕戦となる西武戦(G球場)に「1番・中堅」で出場し、猛打賞デビューした。公式戦初打席の初回先頭で左中間二塁打を放つと、3安打1盗塁と大暴れ。巨人の未来を担うスター候補が、最高のスタートを切った。スポーツ報知では巨人の2軍、3軍の情報を「Gファーム いれコミ情報」として連日、報じます。
パワー見せた二塁打2本 強烈な打球音と両手に残った心地よい感触をかみしめ、浅野は一塁へと勢いよく走り出した。歓声に背中を押され、快足を飛ばして二塁へ到達。「ベンチで先輩も自分のことのように喜んでいてうれしかったです」。ベンチに向かって右手を高々と掲げた。
初回先頭。1ボール1ストライクから西武の右腕・黒田のスライダーを捉え、左中間へと鋭い打球を運んだ。公式戦デビュー戦の初打席、初スイングでプロ初安打。初の長打にもなった。勢いは止まらない。5回に中前打を放つと、7回にはライナーで右翼手の頭を越す、この日2本目の二塁打。デビュー戦でいきなりの猛打賞をマークした。
成長を証明した。プロ初安打を振り返り「打てていなかった変化球を長打にできて良かったです」と実感を込めた。これまでの実戦での安打は全て直球を打ったもの。「変化球に課題意識を持ってやってきました」。イースタン開幕に向け、打撃投手に変化球を多く投げてもらうなどして課題克服に取り組んできた。3本の安打のうち2本が変化球。成長速度を示す猛打賞でもあった。
地道に“プロ仕様”のボディーをつくり上げていた。50メートル走5秒9、遠投110メートル。抜群の身体能力を持つが体幹に弱点を抱えていた。キャンプから石森2軍トレーニングコーチと日々、メディシンボール投げや、うつぶせで肘をついた姿勢を保つプランクなどの多様なメニューで体幹や股関節回りを強化。体重は入寮時の90キロから変化していないが「体がぶれなくなって、疲れにくくもなりました」と効果を感じ、スイングの鋭さや打球の力強さも増した。
進化の過程で変えないものもあった。打席に入る前の登場曲には、高松商時代に甲子園の打席に入る際などにブラスバンドが演奏してくれた映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のメインテーマ曲「彼こそが海賊(He’s a Pirate)」を使用。「野球部のメンバーや友達もパイレーツがいいんじゃないかと推していたので、それにしました」。友情に厚い浅野らしい選択だった。
初の公式戦で大暴れ。試合後には初めてヒーローインタビューに臨み「自分がやってきたことを信じて頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と初々しくファンに呼びかけ、大きな拍手を浴びた。近未来の巨人を支えるべく、黄金ルーキーは一歩ずつスターへの階段を上っていく。(宮内 孝太)