◆第71回阪神大賞典・G2(3月19日、阪神競馬場・芝3000メートル、良)
第71回阪神大賞典・G2(阪神)は4歳初戦だったジャスティンパレス(ルメール)が好位から抜け出し、重賞2勝目。優先出走権を得た天皇賞・春(4月30日、京都)へ弾みをつけた。
人馬ともに冷静沈着だった。残り250メートルで1頭分のスペースを見つけると、ルメールは満を持してゴーサイン。好位で末脚を温存していたジャスティンパレスは鋭い加速であっという間に先頭に立ち、1馬身3/4差をつけてゴールした。
一昨年11月以来の手綱で騎乗時3戦3勝とした鞍上は「前走と前々走でスタミナを見せていたので自信がありました。大人になってパワーアップ。メンタルも落ち着きました」。成長著しい4歳馬で長丁場を制し、満面の笑みで汗をぬぐった。
「一歩目が決まったのが大きかった。道中のペースが緩んだし、あの位置が取れたのが勝因」と杉山晴調教師。ホープフルS2着など早い時期から活躍したが、心身両面で課題は多かった。馬体を大きく増やし、課題だったゲートの駐立も克服。収穫大の始動戦となった。
菊花賞と有馬記念で先着を許した同世代のライバル、ボルドグフーシュを逆転。胸を張って天皇賞・春へ向かう。「この内容なら、1ハロン延びても大丈夫でしょう」とトレーナー。心身両面の課題を着実に克服してきたディープインパクト産駒が、最強ステイヤーの座に大きく近づいた。(吉村 達)
◆ジャスティンパレス 父ディープインパクト、母パレスルーマー(父ロイヤルアンセム)。栗東・杉山晴紀厩舎所属の牡4歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は9戦4勝。総獲得賞金は2億1109万6000円。主な勝ち鞍は22年神戸新聞杯・G2。馬主は三木正浩氏。