J3富山が後半ロスタイムに勝ち越し 2戦連発のアルトゥールシルバ「サポーターに勝利を捧げたい」

スポーツ報知
後半ロスタイムに、PKを決めたJ3富山のアルトゥールシルバ

◆明治安田生命J3リーグ 第3節 富山3-2北九州(19日・富山県総合運動公園陸上競技場)

 カターレ富山は、3-2でギラヴァンツ北九州に勝利し、4575人が訪れたホーム開幕戦を白星で飾った。前半はFW吉平翼(25)の2連続ゴールでリード。後半は同点に追いつかれたが、同ロスタイム3分には、途中出場のMFアルトゥールシルバ(27)がPKを決めて勝ち越した。喜びのあまり、ゴール裏スタンド前に駆け寄り、チームメートと抱き合って喜びを大爆発。シルバは「ゴール裏が盛り上がっていたので、無意識に行っていました。サポーターの応援は力になるし、この勝利を捧げたい」と笑顔を浮かべた。

 ブラジル出身で、2019年にFC東京に加入し、J1の舞台で活躍。21年に横浜FCに期限付き移籍したあと、22年からは富山に加入した。「富山のJ2昇格の目標を達成したい。個人的にはゴール、アシスト数を増やしたい」と今季も富山でのプレーを決意。小田切道治監督は「途中出場が続いているが、常に前向きに打ち込んでいる。今シーズンは、初日から表情も体の締まりも違う」と期待を寄せる。12日の沼津戦では、後半から出場して今季初ゴールを決めるなど、好調をキープする。

 ピッチの上では強いフィジカルと決定力を誇り、抜群の存在感を見せるが、普段の生活では“愛されキャラ”だ。チームの広報担当者は「愛嬌があって、真面目です。サービス精神も旺盛で、カメラを向けると、いろいろと話してくれます」と証言。この日のPKのチャンスは、シルバからのパスを受けたFW高橋駿太(34)が倒されて得たが「アルちゃんが、すごくいいボールをくれた。蹴りたそうな顔で寄ってきたので、そこは譲りました」と高橋は苦笑い。見事に決勝ゴールを決めて、チームメートの信頼に応えて見せた。

 12日の沼津戦は1-2で敗れたが、この日は5選手を初スタメンに抜てき。前半は前線からの厳しいプレスを繰り出し、劣勢となった後半は途中出場した選手が劇的な勝利を引き寄せた。小田切監督は「間違いなく言えることは、(ベンチメンバーを含めた)18人で勝てたと思っているし、その背中には31人の選手がいる」と話せば、「若い選手が多く出場し、チャンスだったと思う。また、チーム内で競争が始まるが、お互いに高め合えば、いい流れが来ると思う」と高橋。チーム一丸となって、悲願のJ2復帰をつかみ取る。(中田 康博)

◆2ゴールのFW吉平翼「1点目はDF、GKの動きが見え、自分でもすごく落ち着いて蹴れた。2点目のPKはGKの動きと逆に決めることができた。日頃から練習を重ね、自信を持って蹴ることが大事だと思っています」

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